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目の下のクマがひどい原因や改善方法は?形成外科医が解説します

2022.05.24目の下のクマ・たるみ取り

NES駒沢クリニック 医師 吉武光太郎監修

目の下のクマは実際よりも老けている印象を与えやすく、改善したいと思っている方も少なくありません。

今回は、目の下のクマの種類や原因、改善方法や当院での治療法などをご説明します。

 

目の下のクマの種類と原因

人間の皮膚の色は、メラニン、カロチン、酸化ヘモグロビン、還元ヘモグロビンの主に4種類が関係していると考えられています。

目の下にできるクマには、大きくわけて、以下のように青クマ・茶クマ・黒クマの3種類があります。

 

青クマ

青クマは目のまわりの血行不良により、毛細血管が透けてみえている状態です。

血行不良によって還元ヘモグロビンと呼ばれる暗赤青色の血液が増えるとされ、青黒っぽく見えると考えられます。

主にパソコンやスマホを長時間使用して目を酷使することや、寝不足、疲れ、運動不足などによって生じるといわれています。

目尻を下に引っ張ったとき、クマの色が少し薄くなった場合、青クマの可能性が高いです。

 

茶クマ

茶クマは、色素沈着によって茶色くくすんで見えている状態です。

メラニンによる色素沈着が主な原因と考えられます。

目のまわりの皮膚の表皮は0.02mmと他の部位と比較しても非常に薄いため、刺激や紫外線、乾燥に弱いといわれています。

そのため、クレンジングで目をゴシゴシこすることや目元の保湿不足などによって茶クマができることがあります。

また通常、メラニンはターンオーバーにより自然と剥がれ落ちますが、なんらかの原因でターンオーバーのサイクルが乱れ、メラニンが蓄積し続けると色素沈着が進行して茶クマが目立ちやすくなると考えられます。

目尻を下に引っ張ったとき、皮膚と一緒にクマが移動した場合には茶クマの可能性が高いです。

 

黒クマ

黒クマは、目の下のたるみなどにより目の下に影ができ、黒っぽく見えている状態です。

黒クマは主に加齢によって目のまわりの眼輪筋などの筋力が低下し、コラーゲンの減少などで肌のハリが失われることにより生じると考えられています。

目の下にふくらみがある場合、皮膚のたるんでいる部分が影のようになり、黒クマが目立ちやすいことも特徴です。

顔を上に向け、顔の正面に鏡をもってきたときにクマが薄くなる、または消える場合には黒クマの可能性が高いです。

 

クマができる可能性のある症状・病気

主に以下のような症状や病気によって、目の下にクマができる可能性があります。

 

バセドウ病

甲状腺ホルモンは全身のあらゆる臓器にはたらき、代謝に関与しています。

バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に作られることによって、体重減少・動悸・下痢・視力低下・眼球突出・疲れなど、さまざまな症状がみられる病気です。

眼球突出の症状がみられた場合、眼窩脂肪が出てくることでクマにみえることがあります。

 

がん(体重減少)

悪性腫瘍などで体重が急激に減少した場合、目の下の皮膚がたるみ、クマにみえることがあります。

悪性腫瘍のほか、糖尿病や胃十二指腸潰瘍なども体重減少を引き起こすといわれています。

 

貧血

血液の中には、酸素や栄養を行き渡らせるヘモグロビンが存在しています。

貧血とは、赤血球の中にあるヘモグロビンの濃度が低下している状態をいい、めまいや息切れ、立ちくらみ、頭痛などの症状がみられることがあります。

目の下の皮膚は非常に薄いため、血行不良となって黒っぽい血液が多くなると、目の下が青みがかってみえることがあります。

 

アトピー性皮膚炎・花粉症

アトピー性皮膚炎や花粉症では、目のかゆみによって頻繁に目をこすってしまうことがあります。

目のまわりの皮膚は薄いため、刺激を受けやすく、色素沈着を起こしやすいです。

目のまわりの皮膚に何度も刺激を与えると、色素沈着が生じ、クマにみえることがあります。

 

肝機能障害

肝機能障害が起きると、食欲低下や倦怠感、吐き気や黄疸などがみられることがあります。

黄疸になると皮膚が黄色くなり、肌のトーンが下がることや食欲低下などにより、体重が減少して皮膚がたるみ、クマが目立つ場合があります。

 

クマを目立たなくするメイク方法

目の下のクマを目立たなくするメイクには、主に以下のような方法があります。

 

青クマ

青クマをカバーするためのメイクは、オレンジ系のコンシーラーが適しています。

青とオレンジは反対色となる補色の関係にあるため、2色を混ぜ合わせると色が薄く見えるようになります。

またピンク系のコンシーラーも血色がよく見えます。

 

茶クマ

茶クマの場合、イエロー系のコンシーラーが適しています。

自分の肌より明るい色ではなく、肌と同じくらいの色を選びましょう。

自分の肌の色よりも明るい色は、浮いて見えてしまい、クマが目立つため逆効果となると考えられます。

紫外線をカットする成分を配合したコンシーラーは、茶クマの原因とされる色素沈着を防ぐものも存在します。

 

黒クマ

黒クマは影クマとも呼ばれ、皮膚のしわやたるみが影となってできます。

ツヤやパール感のあるアイシャドウは目元を華やかに見せるため、ホワイトパールなどを目の下に塗ることで明るい印象となります。

 

青クマの改善方法

青クマの対策として、主に以下のようなものが考えられます。

 

保温、目の休息

血流改善のためには、ホットタオルやアイマスクをのせて目元をゆっくりと温めることが効果的とされています。

またパソコンやスマホを長時間使用すると、まばたきが少なくなり、目の負担が増加すると考えられます。

できるだけスマホを触る時間を減らす、1時間に1回は休憩時間を作るなど、意識的に目を休ませるようにしましょう。

 

マッサージ

体の気になる部位をマッサージすることは、血流改善に効果的とされています。

目元をマッサージする場合はクリームなどを塗布して行い、皮膚へのダメージを少なくしましょう。

強くマッサージしすぎると茶クマの原因にもなるため、優しく慎重に行うことが大切です。

 

適度な運動

青クマは血行不良が主な原因とされるため、運動で体の血流をよくするとよいでしょう。

ウォーキングをする、エレベーターやエスカレーターをやめて階段で移動する、通勤時は一駅分歩くなど、毎日の生活の中でできることから始めてみてください。

栄養バランスの偏った食事や睡眠不足なども血行不良を招くとされるため、生活習慣の改善も心がけましょう。

 

茶クマの改善方法

茶クマの対策として、以下のようなものが考えられます。

 

スキンケア

茶クマはメラニンの増加が原因とされています。

そのため、青クマの改善方法と同時に、保湿や美白に効果的とされる化粧品を使用し、紫外線対策を十分に行うことが大切です。

メラニンの生成を抑えるとされるビタミンC誘導体やトラネキサム酸を含んでいる化粧品も存在するため、成分表示をよく確認して購入するとよいでしょう。

 

皮膚への刺激に注意

人間の皮膚は体の部位ごとに厚さが異なりますが、平均2mm程度とされています。

中でも目元の皮膚は他の部位と比較して非常に薄く、外部からの刺激を受けやすいと考えられます。

クレンジングの際に汚れを落とそうと強くこすっていたり、日頃から目をこする癖があったりする場合は目元の負担が増えている可能性があります。

 

黒クマの改善方法

黒クマの改善方法には、主に以下のようなものが考えられます。

 

眼輪筋を鍛える

眼窩脂肪を支えている眼輪筋のトレーニングやマッサージをすることは、むくみの解消につながり、黒クマの改善が期待できます。

眼球を上下左右、右まわり左まわりにゆっくりとまわす、また下まぶたは下方へ、目尻は顔の外側へ、上まぶたは上方へ、一ヵ所ずつ引っ張りながら目を閉じる方法や、右目と左目の片方ずつウインクを繰り返す方法などがあります。

眼輪筋トレーニングやマッサージにはさまざまな方法があります。

間違った方法は、目の下のたるみやクマ、しわなどの原因となることがあるため、医師に相談の上で行いましょう。

 

十分な保湿ケアをする

目の下の皮膚は0.5〜0.6mm、もっとも外層の表皮は0.02mmと非常に薄いため刺激に弱く、皮脂腺も少ないため、乾燥しやすいとされています。

そのため、目のまわりはヒアルロン酸やセラミドなどが配合されているアイクリームで十分に保湿することが大切です。

専用の美容液を目のまわりにくるくるとなじませ、優しくしっかりと保湿しましょう。

 

手術をする

余分に突出している眼窩脂肪をとって、黒クマの改善をすることができます。

アプローチは、まぶたの裏側(結膜)からのアプローチと、皮膚表面のからのアプローチがあります。

手術には脱脂とハムラ法があり、適応を見極めながらご案内していきます。

 

NES駒沢クリニック美容の治療

当院では、目の下のクマを改善するために2種類の治療を行っています。

 

経結膜脱脂

下まぶたのクマやたるみには、皮膚やロックウッド靭帯、眼輪筋、眼窩隔膜、そして眼窩脂肪などが関係しています。

加齢によってロックウッド靭帯や眼輪筋などが徐々に緩むことにより、眼球が下がってきます。すると眼窩脂肪が圧迫され、前方に突出することによって目の下のたるみや黒クマが引き起こされると考えられます。

 

経結膜脱脂とは、目の下にある脂肪をまぶたの裏側を切開して取り除く治療です。

当院では局所麻酔を追加投与しながら手術を進め、必要に応じて止血を行います。

仰向けの状態で適度な量の眼窩脂肪を取り除き、座位で表情を確認して眼窩脂肪を適量取り除けている場合には手術が終了します。

目の下への脂肪注入は、必要と判断した場合にのみ無料で行っています。

 

目の下のたるみ取り(下眼瞼切開 + 経皮的脱脂)

脱脂手術によって眼窩脂肪を取り除いた場合、眼窩脂肪が収まっていた部分の皮膚が余るため、皮膚のしわやたるみが悪化するリスクがあります。

そのため、たるみが強い方、teartraghの凹みが強い方には、当院ではまぶたの表側を切開して眼窩脂肪を除去し、余っている皮膚を取り除く手術も行っています。

目の下の表面の縁から3〜5mmほど下方を目尻に向けて「への字」に切開し、必要に応じて慎重に止血しながら余分な脂肪を取り除きます。

目の下のしわの原因とされる一部の眼輪筋と皮膚を除去し、縫合後に手術が終了します。

 

脱脂手術の副作用とリスク

当院での脱脂手術や目の下のたるみ取りによる副作用や注意点は、以下のようなものが挙げられます。

症状の現れ方や程度には、個人差があります。

 

腫れ

翌日~1週間程度、腫れることがあります。

むくみやすい方は腫れやすいですが、全く腫れない方もいらっしゃいます。

 

内出血

経結膜脱脂法による内出血は約1割の方にみられます。

施術中の麻酔の際、表面からはわからないような血管に麻酔の注射針が当たると内出血を引き起こすことがあります。

その場合、通常は約2週間で黄色くなり目立たなくなります。

脱脂手術と目の下のたるみ取りを行った場合にも内出血は起こり、通常は2週間程度で黄色くなり目立たなくなります。

 

疼痛

施術から1~2週間程度は、目を動かしたとき、圧迫したときに違和感のような痛みが続くことがあります。

 

出血

約1週間にわたって涙のように少しずつ出血することや、鼻から出血することがあります。

また約1週間は一度にまとまって出血する可能性があるため、寝具はタオルなどを敷いておきましょう。

 

血腫

手術部位に血が溜まり、塊のように感じることがあります。

大きさによって期間は異なりますが、通常は体内に少しずつ吸収されていきます。

大きい場合は再度傷口を開けて血腫を除去します。

 

シコリ感

脂肪注入をした場合、シコリ感が続くことがあります。

 

抜糸

経結膜脱脂法の場合は縫合しないため、抜糸の必要はありません。

一方、脱脂手術と目の下のたるみ取りを行った場合は、まぶたの表側を縫合するため、約1週間で抜糸が必要です。

 

当院の治療料金

当院における治療料金は、以下の通りです。

項目

円(税込)

眼瞼の脂肪取り

脱脂(まぶたの裏から) 242,000円
ハムラ法 495,000円
下眼瞼のたるみ取り+脱脂(皮膚側から) 297,000円

 

ハムラまでしなくても脱脂や脂肪注入で目の下のクマや目の下のたるみはだいぶ改善します。

 

目の下のクマがひどいと、鏡を見る度に気持ちが沈んでしまうかもしれません。

今回ご紹介したクマの改善方法を参考にできることから始めてみましょう。

セルフケアで改善が見込めない場合や気になる症状がある方は、当院へお気軽にご相談ください。

 

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