シミと肝斑の違いとは?そばかすとも違う?見分け方と治療法を美容皮膚科が解説
2022.12.13シミ取り
シミと一言にいっても、さまざまな種類や原因があります。
今回はシミや肝斑、そばかすの特徴やそれぞれの原因、治療法などをご説明します。
肝斑とは?シミとそばかすとの違い
肝斑はシミの一種ですが、一般的にシミといわれるのは老人性色素斑です。
肝斑、シミ、そばかすには次のような違いがあります。
肝斑
肝斑は30〜50歳代でみられることの多い色素斑です。
頬などを中心とし、左右対称に淡〜濃褐色のシミが拡大していくことが特徴です。
はっきりとした原因はわかっていませんが、女性ホルモンが関係しているともいわれています。
妊娠・出産を機に悩む人が多く、閉経後は徐々に薄くなることが特徴です。
頬骨周辺に輪郭が淡くシミができ、少しずつ拡大していきます。
紫外線や肌への摩擦なども悪化の要因とされています。
シミ
主に加齢とともに生じる輪郭のはっきりした色素斑で、老人性色素斑といいます。
顔面や前腕など、紫外線の影響を受けやすい部位に発生しやすいとされています。
紫外線によって表皮細胞内にメラニンが蓄積される、ターンオーバーが低下することなどが原因とされ、脂漏性角化症になると考えられています。
そばかす
幼少期~思春期ごろに頬骨~鼻のまわりに細かい淡褐色の色素斑が生じます。
雀の卵殻に似ていることから、別名を雀卵斑といいます。遺伝的な要因で生じるとされ、日本人の場合は色白の人に多いといわれています。
肝斑・シミ・そばかすの見分け方
肝斑やシミ、そばかすにはそれぞれ以下のような特徴があります。
左右対称
肝斑は、頬や額や鼻の下などに左右対称に生じることが特徴です。
ただし、老人性色素斑がたまたま左右の同じようなところに生じることもあるため、広範囲に発生している、輪郭がもやもやしている点なども確認することが必要です。
楕円形・円形
シミは、輪郭がはっきりとした楕円形や円形の色素斑が、顔や手などの紫外線が当たるところにできます。
肝斑とは異なり、左右非対称に現れます。肥厚している場合は脂漏性角化症(イボ)になります。
小さい斑点
そばかすは、頬~鼻のまわりを中心に小さく細かい斑点が生じます。
思春期頃に最も目立つとされ、夏には色が濃く、冬には色が薄くなることがあります。
その他、肝斑との鑑別が難しい疾患として、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)があります。
なお、ADMは頬の上部に左右対称に生じますが、20歳代から発症する、灰色がかった色味であるなど、肝斑とは異なる特徴をもちます。
発症原因はわかっていません。
肝斑・シミ・そばかすの治療法
治療を進めるにあたって、まずはどの種類のシミなのかを診断することが必要となります。
実際には肝斑やシミ、そばかすが併発していることも多く、老人性色素斑の治療中に肝斑が浮き出てくることもあります。
当院では患者さま一人ひとりの肌の状態や状況に応じて、適切な治療法をご提案しています。
ピコスポット
ピコスポットはピコレーザーによる治療の一種で、シミやそばかすの治療に適しています。
ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒)単位で肌にレーザーを照射するため、従来のQスイッチレーザーの照射時間であるナノ秒(1億分の1秒)よりも短く、肌へのダメージが少ない治療法です。
ピコスポットは、高出力のレーザーを気になるシミやそばかすにピンポイントで照射して除去をします。
照射時間がピコ秒と非常に短く、肌へのダメージが少ないため、ダウンタイムが短いことが特徴です。
ピコ秒でのレーザーの照射なので熱ではなく衝撃波によりメラニン色素を破壊します。
従来のレーザーと比較してより細かい微粒子サイズまでメラニン色素を破壊し、シミを改善します。
経過は4パターンほどあります。基本的に3ヵ月以上の間隔をあけて、1~3回程度の照射が必要です。
ピコトーニング
ピコトーニングは、低出力のレーザーを顔全体に照射することで、くすみや、肝斑、肌質改善などに効果が期待できます。
これまで肝斑は悪化するリスクがあるため、レーザー治療ができませんでしたが、ピコトーニングは低出力のレーザーを何回も肌に照射するため、肝斑への治療も可能となっています。
肝斑の治療をする方は、ピコトーニング単独で治療するよりも、トラネキサム酸の内服薬や、ハイドロキノン、トレチノインなどの外用薬を併用するとより効果が期待できます。
当院でピコトーニングを受ける方は、トラネキサム酸の内服を必須としています(ご病気等で内服できない方を除く)。
症状により異なりますが、基本的に2~4週間に1回のペースで、20回程度の照射をお勧めしています。
レーザーフェイシャル
レーザーフェイシャルは顔全体の肌にレーザーを照射し、シミやそばかす、ニキビなどを改善する治療法です。
レーザーフェイシャルは、メラニン色素にはたらきかけるロングパルスアレキサンドライトレーザーという医療機器を使用します。
数多くある美容医療機器の中でも特に日本人に向いているとされ、広範囲に照射でき、ムラになりにくく、さまざまな美肌効果が期待できます。
症状により異なりますが、基本的に3~4週間に1回のペースで、5~6回程度の照射が必要です。
内服薬、外用薬
内服薬としてトラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンE、外用薬としてハイドロキノンやトレチノインがあります。
トラネキサム酸は人工的に合成されたアミノ酸の一種で、止血作用や抗炎症作用、メラニン生成の抑制作用などがあり、口内炎や喉の腫れの治療薬などにも使用されています。
ハイドロキノンはシミの予防や改善に使用される薬で、肌の漂白剤ともいわれています。
ハイドロキノンはメラニンの生成を抑制するはたらきがあり、コウジ酸やアルブチンの約100倍の美白効果をもつといわれています。
ハイドロキノンはトレチノインとの併用でさらに効果を高められるとされています。
トレチノインはビタミンAの誘導体で、ターンオーバーを活性化させてメラニンの排出をサポートします。
治療の経過とリスク
施術のリスクや注意点として、主に以下のようなものが考えられます。
治療の経過や効果には、個人差があります。
ピコスポット、ピコトーニング
- ピコスポット後は、患部への刺激を避ければ、メイクや洗顔は当日から可能です。
- 治療直後から外出可能ですが、保湿や紫外線対策をしっかり行いましょう。
- シミの状態によっては、1回の治療で除去できない可能性があります。
- 施術後に生じたかさぶたは、無理に剥がさないようにしてください。
- 炎症後色素沈着が起きることがありますが、約3~6ヵ月で目立たなくなります。
- ピコスポット後、1週間は炎症を抑える軟膏を塗布していただきます。
- 基本的にテープ保護は必要ありませんが、レーザーを強めに当てた方、摩擦や日焼けが心配な方、色素沈着を起こしやすい方はテープ保護をお勧めいたします。
- 施術後、一時的にシミが黒くなったりかさぶたになることがあります。
- ピコトーニング後は少し赤みが出ることがありますが、数時間で治まります。
主な副作用
痛みやかゆみ、出血、炎症後色素沈着や色素脱失、毛嚢炎、水疱形成、肝斑の悪化 など
トラネキサム酸
- 止血作用により、脳梗塞、心筋梗塞などの既往歴がある方は服用できません。
- 服用前に医師へ必ずご相談ください。
主な副作用
発疹やかゆみ、吐き気、嘔吐、食欲不振、胸やけ など
ハイドロキノン、トレチノイン
- トレチノインは妊娠の可能性がある方、妊娠中の方、授乳中の方は使用できません。
- トレチノインは3~7日程度で赤みが生じる、皮膚がポロポロと剥がれることがありますが、治療の経過で現れる正常な反応です。
- 赤みや痛みが強い、皮膚が剥けすぎる場合には、トレチノインの塗布は中止し、医師へご相談ください。
- ハイドロキノン、トレチノインは冷蔵庫で保管してください。
- 新たにシミや色素沈着が起きるのを予防するため、必ず日焼け止めを使用してください。
施術料金
当院の施術料金は以下の通りです。
ピコスポット
シミ・そばかす | ~5mm 1個につき | 5,500円 |
---|---|---|
6~10mm 1個につき | 8,800円 | |
11~20mm 1個につき | 15,400円 | |
ADM | 1回 | 33,000円 |
顔あて放題 | 1回 | 99,000円 |
2回目(初回から半年以内) | 55,000円 | |
1回+ピコトーニング全顔1回 | 110,000円 |
ピコトーニング
全顔初回トライアル | 13,200円 |
1回 | 30,800円 |
5回 | 110,000円 |
10回 | 165,000円 |
20回 | 297,000円 |
ピコホワイトニング
1回 | 110,000円 |
レーザーフェイシャル
顔 | 初回トライアル(女性・男性) | 16,500円 |
---|---|---|
1回(女性) | 30,800円 | |
5回(女性) | 110,000円 | |
1回(男性) | 33,000円 | |
5回(男性) | 110,000円 |
内服薬、外用薬
トラネキサム酸 | 3CP/3X 90錠 30日分 | 2,750円 |
---|---|---|
ハイドロキノン | 5% 5g | 2,200円 |
トレチノイン | 0.025% 5g | 3,300円 |
0.05% 5g | 5,500円 | |
0.10% 5g | 7,700円 |
肝斑やシミ、そばかすでお悩みの方はネス駒沢クリニックへ
肝斑は頬や鼻などを中心に左右対称に現れ、シミは紫外線の影響により年齢とともに増加する傾向があります。
またそばかすは幼少期~思春期頃に発生する細かい斑点です。
このようにそれぞれのシミには特徴がありますが、併発して現れることも少なくありません。
当院では患者さま一人ひとりの肌の状態や状況に応じ、適切な治療法をご提案いたします。
気になる症状がある方は、当院へお気軽にご相談ください。