ネス駒沢クリニックからのスタッフコラムColumn

いちご鼻の原因と治療法を美容皮膚科が徹底解説|毛穴の黒ずみを根本改善するには?

2025.10.10毛穴・美肌

「鼻のポツポツやザラザラが消えない…」「毛穴パックをしたら悪化した」というストレスやお悩みを抱えていませんか?

実はそのポツポツ、毛穴の奥にたまった皮脂汚れや角栓が原因かもしれません。

今回は、いちご鼻の原因やセルフケアによる改善方法、皮膚科での治療方法や治療法の選び方などをご説明します。

いちご鼻とは?

毛穴につまった角栓や皮脂汚れが目立ち、鼻の表面がいちごのようにブツブツしてみえる状態のことをいいます。とくに鼻は皮脂分泌が多く、毛穴トラブルが起こりやすい部位です。

いちご鼻の状態

鼻の毛穴に角栓が詰まり、毛穴の黒ずみや凸凹が目立っている状態のことです。鼻の表面が黒くポツポツして見え、いちごの種のように見えることから「いちご鼻」と呼ばれています。

原因とされる角栓は、古い角質や皮脂、メイク汚れなどが混ざってできています。毛穴に角栓がつまると空気に触れて酸化し、黒く変色することで黒いポツポツとなって現れます。

また角栓によって毛穴が押し広げられると、毛穴の開きが目立ち、鼻の表面がザラザラとなることもあります。

いちご鼻の原因

いちご鼻の原因は、毛穴の汚れだけではありません。さまざまな要素が複雑に絡み合い、悪循環となって悪化していくこともあります。

皮脂の過剰分泌

鼻はTゾーンに属し、とくに皮脂分泌が多い部位です。食生活の乱れや睡眠不足、ストレスなどにより、皮脂が増えやすくなると考えられます。

肌のターンオーバーの乱れ

肌は約28日周期で生まれ変わっています。このターンオーバーが乱れると、古い角質がスムーズに排出されず、角栓となって毛穴のつまりにつながります。角栓が酸化し、黒ずみとなって鼻のザラザラを引き起こすと考えられます。

誤ったスキンケア

洗顔時に肌をゴシゴシこする、毛穴パックを頻繁に使用するなどはNGです。肌への摩擦や刺激はダメージとなり、皮脂分泌を増やして悪化を招きます。

いちご鼻は単なる毛穴の汚れではなく、生活習慣やスキンケア、皮脂量や角質など複数の要因が関わっています。根本からケアをすることが大切です。

セルフケアで改善できる?

いちご鼻が気になるとき、できるだけ自分でケアしたいと思いませんか?正しいセルフケアを行うことである程度の改善が期待できますが、誤ったケアを続けるとかえって悪化してしまうケースも少なくありません。

いちご鼻のセルフケアや皮膚科での治療に効果が期待できる理由をご紹介します。

いちご鼻のケア方法

いちご鼻の基本的なケア方法は、「角質と毛穴汚れを取り除く」「皮脂分泌や肌のテカリを抑える」「毛穴を広げすぎないこと」がポイントです。クレンジングでやさしく、しっかりメイク汚れを落としましょう。

洗浄力が強すぎるアイテムは肌の乾燥を招き、皮脂分泌を過剰にするおそれがあります。また洗顔は朝晩1日2回までが基本です。泡立てネットでもこもこの泡を作り、肌に触れないくらいの泡クッションで摩擦を抑えて洗います。

肌が乾燥すると、肌を守ろうと皮脂分泌が増加します。肌が乾燥する前に十分な保湿をすることが毛穴の引き締めにつながります。肌の状態は日々変わるため、季節やホルモンバランスなど、ご自身の肌状態に合ったケアを続けましょう。

自己ケアで悪化するケースも

毛穴パックは一時的に角栓が取れてスッキリ感を味わえますが、何度も繰り返すことで毛穴が開いたままになってしまう場合があります。毛穴を無理に開いて角栓を取っているため、かえって皮脂汚れがつまりやすくなると考えられます。

また熱いお湯や強い摩擦は肌への刺激となり、皮脂の過剰分泌や肌の乾燥を招きます。泡で肌を包み込むように洗い、ぬるま湯でしっかりすすぎましょう。

角栓をピンセットで押し出す行為なども、肌の炎症や凹みにつながります。誤った方法を続けると、いちご鼻の改善が難しくなるかもしれません。

皮膚科治療が必要な理由

セルフケアで改善がみられない場合には、医療機関での治療も選択肢のひとつです。基本的にセルフケアは肌の表面、医療機関での治療は肌の奥にアプローチしていきます。

「肌表面がきれいになっても、すぐ元の状態に戻ってしまう…」という場合には、治療が必要なサインかもしれません。

皮膚科では、皮脂の分泌量を抑える治療薬や毛穴の中を洗浄する機器など、肌悩みに応じたアプローチが可能です。まずはお気軽にご相談ください。

いちご鼻の治療法

アクアピーリングの効果と特徴

水流と吸引の力を利用して毛穴の汚れを取り除くピーリング治療です。水流の力を利用して皮脂汚れや角質を浮かせながら吸い出すため、強い刺激はなく、敏感肌の方も始めやすいでしょう。

毛穴の引き締め、毛穴の黒ずみや肌のザラつき、肌のくすみや透明感アップなどの効果が期待できます。副作用として、赤み、かゆみ、乾燥などがあります。

一般的なピーリングは肌への刺激が強い場合がありますが、アクアピーリングは薬剤に頼らず、肌への刺激がマイルドなことが特徴です。

また洗浄、吸引後に美容液の導入もできるため、肌への保湿が可能です。ダウンタイムはほとんどなく、痛みを抑えたい方におすすめの治療といえます。

ケミカルピーリングによる毛穴改善

グリコール酸やサリチル酸などの酸を肌に塗布し、古い角質やたまった汚れを溶かして取り除く治療です。毛穴のつまりや黒ずみ、ザラつきが気になる方におすすめです。

ピーリングに使用する薬剤の種類や濃度は、肌質やお悩みの症状により異なります。

肌表面をなめらかにする、毛穴のつまりや角栓を除去する、肌のターンオーバーを促進するなどの効果が期待できます。副作用として、酸による肌の赤みや刺激感、一時的に皮むけなどが起きることがあります。

マッサージピールによるアプローチ

トリクロロ酢酸(TCA)という強いピーリング成分に、過酸化水素とコウジ酸を加えた治療です。従来のTCAピーリングは皮膚表面を剥がしていましたが、マッサージピールは真皮層まで浸透してコラーゲン生成を促します。

毛穴の開き、ニキビ跡やくすみの改善などに効果が期待できます。

毛穴へのアプローチだけでなく、肌のハリツヤがほしい方、いちご鼻を改善しながら肌の質感をアップしたい方におすすめです。副作用として、肌の赤みやヒリヒリ感があります。翌日からメイクが可能です。

エレクトロポレーションによるアプローチ

微弱な電気パルスを使用し、一時的に細胞膜にすき間を作ることで有効成分を肌の奥まで浸透させる治療です。

いちご鼻の治療では、トラネキサム酸やビタミンC誘導体などが使用されることが多いです。

毛穴の黒ずみ予防、毛穴の引き締めなどに効果が期待できます。通常では届きにくい肌の真皮層まで有効成分を届けられるため、「しっかり毛穴ケアがしたい方」「ピーリングには少し抵抗がある方」におすすめです。副作用として、まれに肌の赤みやヒリヒリ感を覚えることがあります。

イソトレチノインによる皮脂抑制アプローチ

イソトレチノインはビタミンAを元に作られた飲み薬で、欧米では治りにくいニキビの治療薬として古くから知られています。

毛穴のつまりや角栓をできにくくする、過剰な皮脂分泌を抑える、ニキビや炎症の再発を予防するなどの効果が期待できます。

副作用として、ほとんどの方に唇や肌の乾燥が現れます。妊娠中は使用できないこと、胎児へのリスクがあることなどから、服用前には必ず医師の説明を受け、注意点を理解した上で治療を進めてください。

いちご鼻治療の選び方

「いちご鼻治療はいろいろあって、自分にはどれが合うかわからない…」という方もいるかもしれません。

どの治療が合うのかわからない方のために、効果の持続期間・費用・再発のしやすさという3つの視点から比べてみましょう。

効果の持続期間

一般的に効果の持続期間は、以下のように治療法によってそれぞれ異なります。

治療法目安
アクアピーリング約2~3週間
ケミカルピーリング約2~4週間
マッサージピール数週間~数か月間
エレクトロポレーション約1~2週間
イソトレチノイン約半年~1年

アクアピーリングやケミカルピーリングは1回の施術で肌のザラつきや毛穴の黒ずみに効果が期待できる一方、2~4週間ほどで毛穴がつまってくることがあります。定期的な施術がおすすめです。マ

ッサージピールは回数によりますが、数週間~数か月間にわたって効果が持続するとされています。イソトレチノインは皮脂腺にアプローチして皮脂分泌量を抑えるため、再発リスクが少ないと考えられています。

治療の費用

(当院例・税込)

– ケミカルピーリング:1回 8,800円(通いやすく、まず試したい方に)

– アクアピーリング:1回 14,300円(通いやすく、まず試したい方に)

– マッサージピール:1回 27,500円(毛穴+肌質改善を希望する方に)

– エレクトロポレーション:成分や組み合わせにより変動。事前相談がおすすめ。

– イソトレチノイン:10日分 4,950円、1か月 14,850円~

治療後の再発のしやすさ

アクアピーリングやケミカルピーリングは表面の汚れをきれいにするタイプの治療です。治療後も毛穴がつまりやすく、皮脂分泌量などに変化はありません。

そのため、定期的な施術が必要です。マッサージピールは真皮層にはたらきかけてコラーゲン生成を促すことで毛穴にアプローチできます。

また施術回数を重ねることで毛穴の開きが目立ちにくくなり、毛穴のつまりを感じにくくなることがあります。

イソトレチノインは皮脂腺に働きかけて皮脂分泌量を抑えるため、治療後も再発しにくいことが特徴です。ある研究によると、一定期間中に服用した総投与量の増加が、ニキビの再発やイソトレチノイン再投与のリスクを減らす可能性があることを示唆しています1)

どの治療も、普段からのスキンケアや生活習慣などによって再発リスクは変わります。正しい洗顔や保湿、生活習慣の見直しも合わせて行うと良いでしょう。

いちご鼻治療の失敗・リスクを防ぐには

どの治療も副作用があり、肌質や体調によっては肌の赤みやヒリヒリ感、皮むけ、かゆみなどが起きる可能性があります。とくにイソトレチノインは妊娠の可能性がある場合は使用できないなどの禁忌事項があります。

必ず医師の指示の下、用法用量を守って自己判断で中止しないでください。また1回の治療で改善されることもありますが、複数回の施術で効果が期待できることもあります。

自宅でのセルフケアを続けながら、数回治療を重ねることを視野に入れて計画的に治療を進めましょう。

費用

以下は、保険が適用されない自由診療(自費)です。

アクアピーリング

アクアピーリング初回トライアル(頬のみ)9,900円
1回14,300円
5回コース49,500円

ケミカルピーリング

ケミカルピーリング顔 or 首 or デコルテ初回トライアル(頬のみ)5,500円
1回8,800円
5回27,500円

マッサージピール

マッサージピール顔 or 首 or デコルテ初回トライアル(頬のみ)16,500円
1回27,500円
5回82,500円

エレクトロポレーション(ケアシス)

エレクトロポレーション(ケアシス)スタンダード(ビタミンC、トラネキサム酸、ヒアルロン酸)9,900円
プレミアム(成長因子)16,500円
追加ビタミンC3,300円
追加トラネキサム酸3,300円
追加プラセンタ*13,300円
追加ビタミンB3,300円
エレクトロポレーション(他の施術に併用)スタンダード(ビタミンC、トラネキサム酸、ヒアルロン酸)1回5,500円
5回22,000円
プレミアム(成長因子)1回8,800円
5回35,200円

イソトレチノイン 経口飲み薬

イソトレチノイン 10mg/1X30日分14,740円
10mg/1X10日分4,950円
20mg/1X30日分14,850円
30mg/1X30日分25,300円
40mg/1X30日分28,600円

よくある質問

いちご鼻は再発しますか?

いちご鼻は一度治っても再発する可能性があります。治療後の洗顔や保湿、紫外線対策などを十分に行うと良いでしょう。

市販のピーリング剤や毛穴パックは使用しても良いですか?

配合されている成分や頻度に注意し、過度に使用することは避けてください。市販品も肌に合えばある程度の効果は期待できるかもしれませんが、頻度が多すぎると肌への刺激になります。

肌のバリア機能が低下し、肌の赤みやかゆみなどにつながるおそれがあります。週1回程度の使用に留めましょう。

いちご鼻にお悩みの方は、ネス駒沢クリニック 皮膚科・形成外科・美容へ

いちご鼻は肌表面の汚れを取ればきれいになるというわけではありません。

角栓や皮脂、肌のターンオーバーなど複数の要素が絡み合っているため、肌の状態に合った治療とセルフケアを続けることが大切です。

いちご鼻を改善したい方は、当院へお気軽にご相談ください。

【ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容|吉武光太郎 監修】

副作用・リスク

アクアピーリング

アクアピーリングは、治療中に肌のヒリヒリ感を覚える方がいます。また治療後は、肌の乾燥や赤み、かゆみ、むくみ、ニキビの悪化などが起こる可能性があります。通常は1~3日以内に治まります。

施術前後にカミソリによるお手入れ、洗顔ブラシ、スクラブ入りの洗顔はお控えください。

トレチノインやレチノール、ピーリング剤などは施術1週間前から使用を中止し、施術後は症状が落ち着き、1週間経過してから使用を再開してください。

  • 施術部位に傷やニキビがある場合、ピーリング剤がしみる可能性があります。
  • 施術後、まれに古い角質が剥けることがあります。
  • 施術後は十分な保湿と紫外線対策をしてください。
  • メイクは当日から可能です。
  • 施術部位への刺激は避けましょう。

未承認医療機器の表示

  • 当院で使用しているアクアクリーンは、国内では医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。
  • 当院では医師の判断の下、正規ルートで購入しています。医学的知見のない個人輸入は推奨していません。
  • 国内の承認医薬品等の有無について、他に同程度の性能を有する国内承認医療機器はありません。
  • 「個人輸入において注意すべき医薬品等について」は、以下のリンクからご覧ください。 https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/

ケミカルピーリング

ごく稀に赤みが出る方がいますが、1週間ほどで赤みも治る場合が多いです。多くの方がダウンタイムはほぼございません。

マッサージピール

  • ダウンタイムはほとんどありません。
  • 痛みの少ない治療法です。
  • 肌のヒリヒリ感や赤みが生じることがあります。
  • 施術後からメイクが可能ですが、ヒリヒリ感がある方はお控えください。
  • 施術後、軽度の皮むけや赤みが数日間続く場合があります。
  • まれに軽度の色素沈着や腫れを起こすことがあります。
  • 古くなった角質が剥がれ落ちることがありますが、無理に剥がさないようにしてください。
  • 施術後は、保湿や紫外線対策を十分に行ってください。
  • ハイドロキノン、トレチノイン、レチノールを使用している方は、施術の1週間前から使用を中止してください。
  • 施術後の肌は敏感なため、摩擦や刺激はお控えください。
  • 妊娠中、授乳中の方は、施術をお控えください。
  • 配合成分にアレルギーがある方も施術をお控えください。

以下に該当する方は、施術をお控えいただく場合があります。事前にご相談ください。

  • 日光過敏症の方
  • アルコール過敏症の方
  • 施術部位に脂漏性皮膚炎のある方
  • 敏感肌の方
  • ヘルペス治療中の方

エレクトロポレーション(ケアシス)

  • 施術中は電気により、ピリピリと感じることがあります。
  • 使用する美容成分によっては、アレルギー反応により、肌に赤みやむくみが出ることがあります。
  • メイクや洗顔は当日より可能です。
  • 運動や飲酒、入浴は当日より可能です。
  • 以下に該当する方は、施術をお控えいただく場合があります。事前にご相談ください。妊娠中または
    授乳中の方
    金属製のプレートやペースメーカーを使用している方
    過去3ヵ月以内に他の美容医療を受けた方
    肌トラブルや施術部位に皮膚疾患がある方

イソトレチノイン

よくある副作用

  • 口唇の乾燥
  • 皮膚や粘膜の乾燥(目・鼻など)
  • 皮むけ、かゆみ
  • 一時的なニキビの悪化(初期反応)

注意すべき重篤な副作用

  • 肝機能障害
  • 血中脂質の上昇
  • うつ症状・気分の変化
  • 催奇形性(妊娠中の服用は絶対禁忌)
  • 女性・男性ともに治療中と治療後1ヶ月は避妊が必要です。
  • 当院では内服開始前と2ヶ月に1回血液検査を行い、安全性を確認します。

併用禁忌

  • テトラサイクリン系の抗生物質(ミノマイシンやビブラマイシンなど)
  • ビタミンAを含むサプリメント
  • 肌のレーザー治療や脱毛

参考文献

(1)Acne Relapse and Isotretinoin Retrial in Patients With Acne

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39813053

本院情報

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