ネス駒沢クリニックからのスタッフコラムColumn

「目の下のふくらみ」放置しないで!専門医が教える原因と治療法まとめ

2025.09.11目の下のクマ・たるみ取り

年齢を重ねると気になってくるのが目元の悩み。目元は年齢を感じる原因となる目の下のふくらみは、寝不足やむくみだけが原因ではありません。

放置しておくと目の下のクマやたるみと重なり、疲れたような印象を与えることもあります。

今回は、目の下のふくらみが目立つ原因やセルフケア、目の下のふくらみに効果的な改善方法、治療前に知っておきたい注意点などをご紹介します。とくに「手術は気になるけど少し怖い…」「自分でできるセルフケアは?」と思っている方はぜひ参考にしてください。

目の下のふくらみはなぜ目立つ?

目の下のふくらみは、さまざまな要因が複雑に絡み合って起きています。

骨格・靭帯・脂肪構造の影響を解説

目の下のふくらみは、眼窩脂肪(がんかしぼう)が前方へ押し出されることで生じます。

目の周りにある眼窩脂肪がクッションの役割をもち、眼球を守っています。眼窩脂肪を前に出ないように支えているのが眼窩隔膜(がんかかくまく)と呼ばれる薄い膜組織です。

筋肉の衰えや加齢によって膜が緩むと、眼窩脂肪が徐々に前方へ押し出され、目の下のふくらみとなります。

また目の周りには保持靭帯がありますが、加齢によって緩んできます。加齢によって骨格が萎縮していくことから、さらに目の下のふくらみが目立つようになります。

くぼみやふくらみによって影ができて強調される

目の下のふくらみが目立つ理由として、影の影響があります。目の下のふくらみ自体大きくない場合でも、ふくらみの下にくぼみがあると、ふくらみが強調されてみえることがあります。

加齢による皮膚のたるみや眼窩脂肪の前方への突出によって、ふくらみが大きくなることでも影が生じやすくなります。目の下のふくらみは眼窩脂肪だけでなく、目の下にできる影の程度や顔全体のバランスが影響すると考えられます。

生活習慣による目元への影響

長時間のパソコンやスマートフォンの利用、寝不足、慢性的なむくみや血行不良も目の下のふくらみの原因となります。

長期にわたってこれらが続くと、目元の血流やリンパの流れが悪くなり、余分な水分や老廃物が体内に溜まりやすくなります。

日常生活で紫外線や乾燥などのダメージも蓄積し、肌のハリや弾力が失われ、目の下のふくらみを強調することにつながります。

ふくらみの原因は年齢だけではない

眼窩脂肪が多い場合は、若い方でも目の下にふくらみが目立つことがあります。また皮膚の厚みや肌質によって、血管が皮膚の上から透けて見える場合や眼窩脂肪が強調されやすくなることがあります。

加齢によるものだけでなく、肌質やもともとの体質、生活習慣などが関わっていると考えられます。

目の下のふくらみは眼下脂肪が原因?セルフチェック法

簡単なセルフチェック方法をご紹介します。

1. 鏡で素顔を確認する

自然光が当たる状態で、正面から素顔を見てみましょう。目の下にふくらみや影がないかどうか確認してみてください。

2. 少し上を向く

あごを少し上げて鏡を見たときに、眼窩脂肪が前に出ている場合は目の下のふくらみが目立っています。この場合、正面を見た状態で、目の下の皮膚を指で優しく下に引っ張ったときに目の下のふくらみが残ります。

また、笑顔になったときに目の下のふくらみが目立つ場合は眼窩脂肪の可能性があります。

目の下のふくらみはセルフケアで改善できる?

できるだけ自分でケアしたいという方には、以下のような方法があります。

家庭用の光治療

家庭用の光治療器がいくつかのメーカーから販売されています。11名が市販の光治療器を6週間使用し、写真撮影とアンケートを実施したところ、目のしわやクマ、肌質、色素沈着、紅斑が改善したと自己報告したという研究があります1)

必ず説明書をよく読み、正しい方法で使用しましょう。

アイクリームの塗布

目の周りの皮膚は他の部位と比較して薄く、乾燥しやすいため、重点的に保湿することで肌のハリや弾力を保つことにつながります。

目の下のたるみがある男女16名が1日2回、12週間にわたって目の下や頬の上あたりにEGFセラムを塗布したところ、11名が初回診察時と比較して目の下のたるみが軽度になったという報告があります2)

※EGF(エピダーマル・グロース・ファクター):肌のターンオーバーを促進し、コラーゲンやエラスチンの生成をサポートする

できた目の下のふくらみはセルフケアでの改善は難しい

目の下のふくらみ対策は、セルフケアと医療からのアプローチの2種類あります。

セルフケアが向いている方

  • 手術や薬剤の注入に抵抗がある方
  • まずは自分で対処したい方

美容医療が向いている方

  • 眼窩脂肪がはっきりと前方へ突出している方
  • 目の下の影や段差がセルフケアで変化しない方
  • 根本的に改善したい方

一度できてしまった目の下のふくらみは、セルフケアだけでの改善は難しいのが現状です。

とくに、眼窩脂肪が前方へ突出してふくらみができている場合や、骨格や靭帯が影響していると思われる場合には、美容医療によるアプローチが必要です。

セルフケアはひとまず自分で対処したい方や目の下のふくらみを予防したい方、美容医療は根本的に改善したい方や目に見える変化がほしいという方に適しています。

「目の下のふくらみが軽度なのか、自分の目元の状態がわからない…」という場合も、カウンセリングで話を聞いてもらうことから始めてみましょう。

目の下のふくらみに効果的な治療法

目の下のふくらみに効果的な治療法として、当院では以下の治療法をご提案しています。

ヒアルロン酸注入

目の下のくぼみが気になる部分にヒアルロン酸注入をして、影や段差を目立たなくする手術です。目の下のへこんでいる部分をなめらかに整えます。目の下のふくらみが軽度の場合は効果的とされています。

ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分のため、時間の経過とともに吸収されます。

600人の患者にヒアルロン酸注入をした研究によると、注入後1年間は持続的な効果を得られる可能性があると示唆されています3)

脱脂

脱脂手術には、大きく分けて2種類があります。

経結膜脱脂法(けいけつまくだっしほう)

下まぶたの裏側から脂肪を除去する手術です。表側の皮膚を切らないため、基本的に目に見える傷跡は残りません。眼窩脂肪を取ることによって目の下のふくらみに直接アプローチし、根本から改善に導きます。

基本的に一度手術をすれば、効果は持続するとされています。ただし、加齢などによる手術後の新しい皮膚のたるみが出てくる可能性があります。また1週間程度は内出血や腫れが続く場合があります。

経皮的アプローチ

下まぶたを表側から切開して皮膚のたるみを取り除き、眼窩脂肪も除去する手術です。皮膚のたるみが強く、眼窩脂肪の除去だけでは理想的な仕上がりにならない場合に行うことがあります。

経結膜脱脂法と同様に手術をすれば、一度の施術で効果は持続するとされています。

ただし、加齢などによる手術後の新しい皮膚のたるみが出てくる可能性があります。目の下のふくらみを取る手術で筋肉も一緒に引き上げる手術を行った場合、30年間の調査の結果、ほとんどの患者が手術に満足していることが示されたという報告があります4)

1週間後に抜糸が必要で、1~2週間程度、腫れや内出血が続く場合があります。傷跡は少しずつ目立たなくなりますが、経結膜脱脂法とは異なり見える部分に傷跡ができます。

裏ハムラ法

眼窩脂肪を取り除き、脂肪を再配置させることで目元のバランスを整える手術です。目元のふくらみとくぼみを同時に改善したい方に適した治療で、加齢による目元の影を目立たなくします。

また目の下のボリュームやへこみのバランスを整え、自然な仕上がりになることが特徴です。患者さま自身の眼窩脂肪を利用しているため、基本的には長期的に効果が続くと考えられています。

脂肪の再配置によって、効果は数年間継続する可能性があり、涙溝の変形による永続的な解決策になると示唆されています5)。ダウンタイムは1~2週間程度の内出血や腫れが出る場合が多いです。

治療前に知っておきたい注意点

目の下のふくらみを改善する治療を行う前に、必ず押さえたい注意点を3つご紹介します。

ダウンタイム

それぞれの治療のダウンタイムには個人差があります。ヒアルロン酸注入は、ダウンタイムがほとんどありません。通常、内出血やむくみは数日で落ち着きます。

経結膜脱脂法では、日常生活には1週間程度で戻れることが多いです。また腫れや内出血が落ち着くまでの時間には個人差があります。

経皮的脱脂法・裏ハムラ法では、1~2週間程度のダウンタイムが必要です。切開や抜糸があるため、他の手術よりもダウンタイムは長いことが特徴です。

カウンセリングや医師選び

手術の仕上がりは、医師の技術とカウンセリングによって差が生まれます。眼窩脂肪の取りすぎや取り残し、左右差、不自然な仕上がりなどを回避するためには、形成外科医として手術の実績がある医師を選びましょう。

カウンセリングでは、患者さまの希望を丁寧に聞き、それに応じた提案をしてくれるかがポイントとなります。

必要な施術回数

ヒアルロン酸注入の場合は、6カ月~1年に1回程度の再注入が必要です。脱脂手術や裏ハムラ法では基本的に一度の手術で期待した効果が得られるケースが多いです。

手術後に新たに生じた目の下のふくらみでは、必要に応じて再手術が必要になることもあります。

ネス駒沢クリニックのクマ取り治療の特徴

当院では、形成外科学会認定専門医が施術をしています。

また電気メスや極細針を使用し、可能な限り施術後の内出血や腫れを抑える工夫をしています。

さらに術後は、電話やLINEですぐに相談できるサポート体制を整えています。

脱脂

当院の脱脂手術は、できるだけダウンタイムを抑え、できるだけ自然にバランスよく仕上げることを心がけています。経結膜脱脂法では皮膚表面を切開することなく、下まぶたの裏側から眼窩脂肪を取り除く方法です。

脂肪の除去量は座った状態で確認しながら、仕上がりを患者さまと一緒に確認して調整していきます。必要に応じて脂肪注入も行いますが、その際に追加費用はかかりません。

経皮的アプローチでは、眼窩脂肪を取り除きながら、皮膚のたるみが気になる方に適している方法です。皮膚表面を切開して皮膚のたるみと眼窩脂肪を取り、皮膚を縫合します。

裏ハムラ法

目の下のくぼみとふくらみを同時に治療したい方に適している手術です。眼窩脂肪をくぼみが気になる部分に移動させることにより、目の下のふくらみとくぼみを改善に導きます。

手術中も可能なら座った状態で仕上がりを確認しながら、目元のバランスを整えていきます。

クマ取り治療について詳しく知りたい方は、こちらのページもご覧ください。

症例

脱脂(経結膜脱脂)

※効果や満足度は症例により異なりますのでご了承ください。

治療内容脱脂(経結膜脱脂)
副作用・リスク腫れ、内出血、疼痛、出血、血腫、シコリ感
費用242,000円(税込)

写真は術後1週間の経過したものです。 瞼の裏を切開し余分な脂肪を切除しました。

今回の症例では除去した脂肪を加工し、カニューレを使って凹みに注入もしています。 今後約3カ月かけて手術した部位が馴染んでいきます。

副作用・リスク

脱脂

皮膚表面に傷はできないため、抜糸はありません。 メイクは翌日から可能です。 一般的なダウンタイムは1週間程度ですが、完成形となるのは3カ月後です。

・翌日から4日間程度、目周りが腫れることがあります。
・目に見えるような内出血は1割くらいの方で起こります。1週間程度で黄色くなり目立たなくなります。
・1~2週間程度は目を動かしたときに重い痛み、1カ月程度は押したときの痛みが出ることがありますが、ほとんど痛みが出ない方も多いです。
・出血が涙や鼻血のように後から出ることがあります。また非常にまれですが、手術部位に血が溜まり、血腫という塊になることがあります。通常は体内に少しずつ吸収されていきます。万が一、大きい場合は傷口から血腫を除去します。
・脂肪注入を行った場合は触れるとわかるしこり感が数カ月だけ残ることがありますが、外見でははわかりません。
・仕上がりの左右差、ふくらみやたるみが残る、小じわが増えることがあります。

裏ハムラ法

裏ハムラには抜糸はありませんが、表ハムラは1週間後に抜糸を行います。 ハムラ後のメイクは創部の部分以外は翌日から可能です。創部は抜糸が終わり問題なければメイクできるようになります。 一般的なダウンタイムは2週間程度ですが、完成形となるのは3~6カ月後です。

・翌日から2週間程度、目周りが腫れることがあります。
・赤紫色の内出血が出て、黄色くなって2週間程度で吸収されます。
・1カ月程度は目を動かしたときに重い痛み、押したときの痛みが出ることがあります。
・非常にまれですが、手術部位に血が溜まり、血腫という塊になることがあります。通常は体内に少しずつ吸収されていきます。万が一、大きい場合は傷口から血腫を除去します。 
・脂肪注入を行った場合はしこり感が残ることがありますが、他人からはわからない程度です。
・仕上がりの左右差、ふくらみやたるみ、ティアトラフが残ることがあります。
・小じわは術前より少し増えます。

費用

以下は、公的保険が適用されない自由診療(自費)です。

費用は税込みです。

脱脂

サービス名施術法・箇所など通常価格モニター価格
下まぶたの脂肪取り脱脂(まぶたの裏から)242,000円198,000円
ハムラ法 495,000円
下まぶたのたるみ取り+脱脂皮膚側から396,000円352,000円

ヒアルロン酸

ボルベラアラガン1本77,000円
ボリフト1本
ボリューマ1本
ボラックス1本

よくある質問

痛みはありますか?

眼窩脂肪を除去しているときに、目の奥が押されるような重たい感じがあります。押されているような感じを痛みと感じる方もいます。

術後の注意点はありますか?

血流がよくなる行為(長時間の入浴、サウナ、激しい運動)は出血や内出血、腫れの原因になることがあるため、1週間ほどは避けてください。

目の下のふくらみが気になる方は、ネス駒沢クリニック・形成外科・皮膚科・美容へ

目の下のふくらみは、もともとの体質や肌質、加齢や生活習慣などさまざまな要因が重なって起きると考えられます。

セルフケアだけで予防・改善することは難しいため、目の下のふくらみが気になる方は美容医療がおすすめです。

気になる症状がある方は、当院へお気軽にご相談ください。

【ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容|吉武光太郎 監修】

参考文献

(1)Outstanding user reported satisfaction for light emitting diodes under-eye rejuvenation

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39133416

(2)Reduced appearance of under-eye bags with twice-daily application of epidermal growth factor (EGF) serum: a pilot study

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25844616

(3)Hyaluronic Acid Gel Injection for the Treatment of Tear Trough Deformity: A Multicenter, Observational, Single-Blind Study

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35478038

(4)Long-term results of lower-lid suspension blepharoplasty: a 30-year experience

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15148120

(5)Surgical and Non-Surgical Approach for Tear Trough Correction: Fat Repositioning Versus Hyaluronic Acid Fillers

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39590588

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