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マダニに噛まれたら?まずは皮膚科か形成外科を受診!

2025.09.06コラム

キャンプやハイキング、庭仕事のあとに黒い小さな粒が皮膚にくっついている…なんて経験はありませんか?
「ホクロができたのかな?」と思ったら、実はマダニだった、ということも珍しくありません。

マダニとは?

マダニは草むらや藪に潜み、動物や人にくっついて数日〜1週間以上も吸血します。口の一部をがっちり皮膚に差し込むため、ちょっと引っ張ったくらいでは取れません。
無理に引き抜こうとすると口の一部が残って炎症を起こしたり、病原体が逆流してしまうこともあります。だからこそ、「自宅で無理に外さない」ことが鉄則です。

なぜ病院に行く必要があるの?

「自分でピンセットで取れそうなのに…」と思う方もいるかもしれません。
それでも病院受診をおすすめする理由は以下のとおりです。

  1. 取り残しを防ぐため
    マダニの口器は皮膚に深く食い込み、素人ではきれいに取り切れないことが多いです。一部が残ると炎症や膿みの原因になります。
  2. 安全に処置するため
    医療機関では必要に応じて局所麻酔をして皮膚ごと除去するなど、安全で確実な方法が取れます。痛みも最小限にできます。
  3. 感染症のチェックができるため
    マダニは「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」や「日本紅斑熱」など、命にかかわる感染症を媒介することがあります。病院で説明を受けておけば、発熱や発疹が出たときに早期対応が可能です。
  4. 経過観察の指示を受けられるため
    「何日くらい様子を見ればよいか」「どんな症状に注意すべきか」などを医師から聞けるので安心です。

受診はどこへ?皮膚科か形成外科がおすすめ

「何科に行けばいいの?」と迷われる方も多いですが、皮膚科形成外科を受診してください。
医療機関では、必要に応じて局所麻酔を使って安全に除去してくれます。自分で取ろうとするよりずっと安心・確実です。

病院ではどんな処置をするの?

マダニを皮膚から取り除く方法は、場所や吸血の程度によって変わります
一般的な流れは次のようになります。

  1. 局所麻酔をして安全に処置
     マダニは口器をしっかり皮膚に差し込んでいるので、痛みなく取るために局所麻酔をします。
  2. 小さな切開でマダニを摘出
     口の一部が皮膚に残らないように、皮膚をほんの少し切開して丸ごと取り出すことがあります。
  3. 縫合が必要なケースも
     切開した範囲が大きめの場合は、糸で1~2針縫うことがあります。傷は小さいため、見た目の心配はほとんどありません。
  4. 1週間程度で抜糸
     縫合した場合は、通常1週間前後で抜糸を行います。傷あとがきれいになるように処置します。
  5. 感染予防と経過観察
     処置後は、抗菌薬や消毒の有無を医師が判断します。あわせて発熱や発疹などの症状が出ないか、2週間ほどの体調チェックをお願いしています。

なぜ病院での処置が安心なのか

  • 取り残しを防げる → 口器が残るとしこりや膿みの原因に
  • 安全に麻酔下で行える → 無理に引き抜いて痛む心配なし
  • 必要なら縫合も可能 → 傷あとがきれいに治るよう配慮
  • 感染症リスクへの説明がある → SFTSや日本紅斑熱など、後日の発熱にも早めに対応できる

SFTS:重症熱性血小板減少症候群の略で、主にSFTSウイルスを保有しているマダニに刺されることにより感染するダニ媒介感染症
日本紅斑熱:リケッチアという病原体を持つマダニに刺されることで感染するダニ媒介性感染症

受診後も2週間は体調チェック

マダニが怖いのは、ただ咬まれるだけでなく感染症を運んでくること
特に有名なのが「SFTS」や「日本紅斑熱」です。これらは発熱、下痢、倦怠感、発疹などの症状が出ることがあります。

そのため、受診後も2週間は体調を観察してください。少しでも異変を感じたら「マダニに咬まれたこと」を医師に伝えると診断がスムーズになります。

予防がいちばんの対策

マダニとの出会いを避けるには、やはり予防が大切です。

  • 草むらに入るときは長袖・長ズボン・帽子・手袋で露出を減らす
  • 裾はズボンや靴下の中に入れる
  • ディートやイカリジン入りの虫よけスプレーを正しく使用する
  • 帰宅後はシャワーで体を洗い、全身チェック

マダニに咬まれたときのポイント

✔︎自宅で外さない
✔︎皮膚科や形成外科で安全に除去
✔︎場合によっては切開 → 摘出 → 縫合 → 抜糸の流れになることもある
✔︎その後2週間は体調をチェック

自然の中で遊ぶことが多い季節だからこそ、頭の片隅に置いておくと安心です。

マダニに刺されたら?

マダニは自宅で無理に外すと、口の一部が残ったり感染症のリスクが高まります。
「もしかしてマダニかも?」と思ったら、そのままの状態で早めに当院を受診ください。

当院では、皮膚科・形成外科での安全な処置と、その後の体調観察について丁寧にご説明いたします。
どうぞ安心してご相談ください。

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