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夏に多い「汗疹(あせも)」と保険診療での治療ガイド

2025.08.23コラム

汗疹(あせも)とは?

汗疹(あせも)は、汗をかいた際に汗腺が詰まって炎症を起こす皮膚トラブルです。赤ちゃんから大人まで幅広くみられ、日本の蒸し暑い夏に特に多くなります。首まわり、背中、わき、肘や膝の裏など、汗がたまりやすい部位に赤い小さなブツブツやかゆみを伴って現れます。

汗疹ができやすい部位

  • 首まわり
  • 背中
  • わきの下
  • 肘や膝の裏
  • おむつの中(乳幼児)

衣類で蒸れやすい部分や、汗がこもる部位に出やすいのが特徴です。

汗疹ができやすい年齢

  • 乳幼児
    汗腺の機能が未熟で、汗をかきやすいため特に多い。
  • 小児〜学童期
    活動量が多く、汗をかきやすいため発生しやすい。
  • 成人
    高温多湿の環境や、仕事・運動で大量に汗をかく人に多い。
  • 高齢者
    皮膚のバリア機能が低下しており、長時間の発汗や蒸れで発症することがある。

汗疹が悪化するとどうなる?

軽症の汗疹は数日で自然に改善することもありますが、悪化すると以下のような状態になることがあります。

  • 強いかゆみで掻き壊し → 皮膚がただれて痛みを伴う
  • 二次感染(とびひなど) → 黄色い膿やかさぶたが広がり、周囲にも感染
  • 慢性化・深在性汗疹 → 炎症が皮膚の奥に及び、ザラつきや硬さが残る
  • 広範囲に拡大 → 日常生活や睡眠に支障をきたす

早めに病院を受診し、治療することが大切です。

汗疹の種類

  • 水晶様汗疹:透明〜白の小さな水ぶくれ。かゆみは少ない。
  • 紅色汗疹:赤いブツブツが出てかゆみが強い。典型的な夏のあせも。
  • 深在性汗疹:繰り返して炎症が深くなり、ザラつきや硬さが出る。

保険診療で使われる薬

汗疹は多くの場合、皮膚科での保険診療で治療できます。症状に応じて以下の薬が処方されます。

1. 外用薬(塗り薬)

  • カラミンローション:かゆみや赤みを和らげる
  • 亜鉛華軟膏:皮膚を保護し、軽い炎症を抑える
  • ステロイド外用薬(弱め〜中等度):炎症やかゆみが強いときに短期間使用
    (例:ロコイド軟膏、リンデロンVG軟膏)
  • 抗菌薬入り軟膏:掻き壊しから細菌感染を伴った場合に使用
    (例:ゲンタシン軟膏、フシジンレオ軟膏、バクトロバン軟膏)

2. 内服薬(飲み薬)

  • 抗ヒスタミン薬(アレロック、ジルテック、クラリチンなど):かゆみを抑える

3. 補助的治療

  • 保湿剤(ヘパリン類似物質外用薬など)
    皮膚のバリアを整え、再発予防に役立つ

自宅でできるケア

  • 汗をかいたら早めにシャワー・着替え
  • 通気性のよい衣服を選ぶ
  • エアコンや扇風機で室温を調整
  • 爪を短くして掻き壊しを防ぐ
  • 乳幼児はこまめにおむつ交換

受診をおすすめするケース

  • かゆみが強く眠れない
  • 赤みやブツブツが広がっている
  • 膿やかさぶたが出てきた(感染の可能性)
  • 繰り返し同じ場所に出ている

まとめ

汗疹(あせも)は夏に多い皮膚トラブルですが、保険診療で適切な薬を使うことで早く改善が期待できます
悪化すると感染や慢性化につながることもあるため、市販薬で治らない・悪化している場合は早めに皮膚科を受診しましょう。

汗疹(あせも)でお悩みの際はネス駒沢クリニックにご相談ください。

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