イソトレチノインの経過を徹底解説|1〜6ヵ月の変化と副作用について
2025.07.24ニキビ

「何をしてもニキビが治らない…」とお悩みの方、イソトレチノインが重症ニキビを改善してくれるかもしれません。イソトレチノインは、これまでの治療で改善しなかったニキビにも効果が期待できる治療薬です。
今回は、イソトレチノイン治療中の経過と副作用、服用中に気をつける生活習慣、治療後の肌の様子と再発対策、2クール目の判断基準などをご紹介します。
治療中の経過と副作用
1ヵ月目に見られる変化と注意点
イソトレチノインを飲みはじめたばかりの頃、一時的にニキビが悪化することがあります。これは「初期悪化」と呼ばれ、全体の約6%ほどの方に起こるといわれています。1)
また、お薬の量が多すぎると肌や唇の乾燥、鼻の中や目の違和感などが出やすくなることも知られています。2)特に、ほとんどの方が唇の乾燥を感じるため、リップクリームや保湿剤をこまめに使うことが大切です。3)
しっかり保湿をしたり、医師の指示通りに服用すれば、多くの場合は安心して治療を続けられます。不安がある場合は、無理せず早めにクリニックに相談することが大切です。
2〜3ヵ月目に期待できる効果
イソトレチノインを飲み始めてから1〜2ヵ月ほどで、肌の状態が少しずつ整ったり、ニキビによるストレスが軽くなってきたと感じる方が多いです。4)
ただし、お薬の効果には個人差があるため、2〜3ヵ月経ってもあまり変化が見られない場合は、薬の量を調整することもあります。
その際は、次のようなことをしっかり確認したうえで検討します。
・乾燥などの副作用が軽く、きちんとケアできているか
・血液検査で、脂質や肝機能に問題がないか
※当院では安全面を考えて、定期的な採血のチェックを必須としております
4ヵ月目以降の肌の変化
イソトレチノインを飲んだ多くの方は、4〜6ヵ月ほどでニキビがしっかりと改善していくといわれています。1)
実際に、20代前半の方を中心とした研究では、1日あたりの体重に合わせた量(0.5〜1.0mg/kg)を4ヵ月間しっかり続けたところ、約85%以上の方でニキビが改善されたという結果も出ています。5)
飲み続けることで、少しずつ肌が変わっていくのを実感できる治療です。焦らず、自分のペースで続けることが大切です♪
服用中に気をつける生活習慣
紫外線と肌刺激を避ける
イソトレチノインを服用中は、お肌が普段より紫外線に敏感になっています。そのため、できるだけ日差しを避けて過ごすことが大切です。
特に午前10時から午後2時ごろは、1日の中でも紫外線がとても強くなる時間帯です。この時間に外出する場合は、帽子や日傘、日焼け止めなどでしっかり対策をしましょう。
もし可能であれば、お出かけの時間を少しずらすだけでもお肌への負担を減らせます。6)
保湿・食生活のケア
イソトレチノインを食前または食後に服用すると、空腹時と比較して吸収が2倍に高まり、食事と一緒に同じ時間に服用することが勧められます1)。また脂肪分の多い食事と一緒に服用しましょう6)。
治療後の肌の様子と再発対策
イソトレチノイン治療は、肌の改善具合や副作用の出方などを見ながら、医師と相談して治療終了のタイミングを決めていきます。
また、これまでの研究結果を参考にしながら、できるだけ再発のリスクを減らせるように、一人ひとりに合わせた治療の進め方を心がけています。
1.イソトレチノインを0.5 mg/kg/日、または累積投与量120mg/kg未満の患者は、より高い用量を投与された患者と比較して再発率が高かった5)。
2. 累積投与量120mg/kgを超える用量で投与した場合、大多数のニキビ患者において長期的な治療効果をもたらす可能性がある5)。
3.累積投与量の増加がニキビ再発およびイソトレチノイン再投与のリスクを減らす可能性があることを示唆している7)。
※累積投与量…一定期間中に服用した総投与量
イソトレチノイン内服終了後も、よりよいお肌の状態を維持するために適切なスキンケアやビタミンA誘導体、アゼライン酸などの使用が推奨されます。
内服終了後の肌変化と過ごし方
イソトレチノインを飲みはじめると、皮脂の分泌がおさえられて、テカリやベタつきが気にならなくなる方が多いです。
お肌がサラッとしてくるのはうれしい変化ですが、その分肌が敏感になりやすくなるので、丁寧なスキンケアを心がけましょう。
特に大切なのが、毎日の日焼け止めです。曇りの日でも紫外線は降り注いでいるので、忘れずに使うのがおすすめです。
また、セラミドやヒアルロン酸入りの保湿剤を使うと、乾燥しがちなお肌の潤いを保ってくれます。
2クール目は必要?判断基準とは
イソトレチノインの1クールは、一般的に4~6ヵ月です。1クール目で期待した効果が得られなかった場合や再発した場合に必要となります。
イソトレチノインは重度の尋常性ざ瘡に対して80%の患者で改善がみられますが、20%の患者は1.5年以内に再発するおそれがあるという報告があります8)。
イソトレチノインを1クールのみ投与した患者と比較して、2クール目の投与を必要とした患者は累積投与量が低く、ニキビが消えた後の投与期間が短いとされています9)。また女性は再投与や再発率が高い傾向があります7)。
イソトレチノインの効果
海外では古くから重症ニキビの第一選択薬として知られています。脂腺に作用することで、悪さをするアクネ菌(にきび菌)を減少させます1)。また体内でレチノイン酸に変化し、皮脂腺の活動を抑え、毛穴づまりを改善します。ターンオーバーを促して毛穴のつまりを改善する、肌の細胞の動きを整えるなどの作用を発揮します。
どのような人が対象?
・繰り返しできるニキビを治したい方
・重症ニキビを改善したい方
・これまでの治療でニキビが改善しなかった方
起こりうる副作用と注意点
イソトレチノインの内服は肝臓に影響を与えるため、定期的な採血検査が必要となります10)。ほかにも潜在的な副作用が伴うため、副作用と再治療の必要性を最小限に抑えながら、反応率を向上させる用量を使用することが重要となります2)。
イソトレチノインは効果の高いニキビ治療薬ですが、飲んでいる間にいくつかの副作用が出ることがあります。多くの場合は、保湿やケアをしながらコントロールできるものがほとんどです。
よくある副作用(ほとんどの方にみられる)
・唇の乾燥
・肌の乾燥、つっぱり感
・鼻の中の乾燥(かさぶた・鼻血)
・目の乾き(目薬でケア可能)
時々みられる副作用
・肌の赤み・かゆみ・皮むけ
・一時的なニキビの悪化(初期反応)
・筋肉痛や関節の違和感
・頭痛や疲れやすさ
注意が必要な副作用(まれ)
・肝機能や脂質の異常
・気分の落ち込み・不安感
・妊娠中の服用による胎児への影響
当院の特徴
1.ニキビがまったく改善しなければ返金
イソトレチノインを服用してもニキビがまったく改善しなかった場合は、全額返金いたします。返金保証には条件がございますので、詳細はクリニックにお問合せください。
2.10日分から開始可能
イソトレチノインの効果や副作用が不安な方、1ヵ月分まとめて購入することが難しい方は10日分から処方しています。
症例
治療内容 | イソトレチノイン内服 |
費用 | イソトレチノイン20mg 1ヶ月分 14,850円(税込) |
副作用 | 乾燥、ニキビの一時的な悪化、肝機能障害、妊娠中の服用による胎児への影響 など |
ニキビ治療イソトレチノインを内服された方のご紹介です💁♀️4ヶ月の内服で強い炎症のニキビができづらくなり、赤みもグッと減りました。
費用
イソトレチノイン経口飲み薬
4ヵ月まで内服可能
イソトレチノイン | 10mg | 10日分 | 4,950円(税込) |
---|---|---|---|
10mg | 30日分 | 14,740円(税込) | |
20mg | 10日分 | 4,950円(税込) | |
20mg | 30日分 | 14,850円(税込) | |
30mg | 30日分 | 25,300円(税込) | |
40mg | 30日分 | 28,600円(税込) |
よくある質問
Q.治療中にニキビが悪化するのはなぜ?
A.治療の初期段階でニキビが一時的に悪化する「好転反応」がみられることがあります。イソトレチノインが皮脂腺に作用して皮脂分泌量が減り、一時的に毛包の炎症が活性化して毛穴が炎症を起こすため、その後に効果がみえ始めます。好転反応を極力起こしたくない方は10mgからの開始がおすすめです。
Q.いつ頃から改善が見られる?
A.ほとんどの場合、治療開始後4~8週間で改善がみられます。個人差があるため、自己判断で服用をやめないでください。
Q.副作用が強く出た場合はどうすれば?
A.副作用が強い場合は、投与間隔の調整や薬の減量などをすることがあります。気になる症状がある方は、すみやかにご相談ください。
Q.治療後はずっと効果が続くの?
A.適切な累積投与量(120〜150mg/kg)により、再発率が下がるといわれています。累積投与量の増加がニキビ再発およびイソトレチノイン再投与のリスクを減らす可能性があるとされています7)。
重症ニキビを治したい方は、ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容へ
イソトレチノインは、重度のニキビに悩む方にとって心強い選択肢のひとつです。服用の経過や副作用を事前に知っておくことで、実際に服用する際の心の準備ができます。長年ニキビが治らずにお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。
【ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容|吉武光太郎 監修】
イソトレチノインについて
- 当院で使用しているイソトレチノインは、国内において未承認医薬品です。
- 当院では医師の判断の下、国内販売代理店経由で購入しています。医学的知見のない個人輸入は推奨していません。
- 国内の承認医薬品等の有無について、他に同程度の性能を有する国内承認薬はありません。
- 個人輸入における厚生労働省からの案内は、以下のリンクからご覧ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/
参考文献
(1)The use of isotretinoin in acne
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20436884
(2)High-Dose Isotretinoin Treatment and the Rate of Retrial, Relapse, and Adverse Effects in Patients With Acne Vulgaris
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24173086
(3)Managing acne vulgaris: an update
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38154809
(4)Quality of Life Assessed Using Skindex-16 Scores Among Patients With Acne Receiving Isotretinoin Treatment.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32639529
(5)Isotretinoin for acne vulgaris—10 years later; a safe and successful treatment
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8286227
(6)Patients’ Knowledge and Information Needs about Isotretinoin Therapy Use in Jordan
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35685597
(7)Acne Relapse and Isotretinoin Retrial in Patients With Acne
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39813053
(8)Determination of key prognostic factors for the development of acne recurrence after systemic isotretinoin therapy
https://www.semanticscholar.org/paper/Determination-of-key-prognostic-factors-for-the-of-Perlamutrov-Olhovskaya/07a7a6512b9b8ef988ba8f8f69c611681acb722b
(9)Analysis of factors associated with relapse in patients on their second course of isotretinoin for acne vulgaris
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33096132
(10)Impact of Isotretinoin on Blood Lipids and Liver Enzymes: A Retrospective Cohort Study in Saudi Arabia
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39253030