ネス駒沢クリニックからのスタッフコラムColumn

シミ取りレーザー後の経過は?赤み・かさぶた・色素沈着の対処法やダウンタイムも解説

2025.10.10シミ取り

「シミ取りレーザーは本当にきれいになる?」「施術を受ける前に、施術後の経過を知りたい」という不安はありませんか?施術を検討中の方が気になるのは、実際の仕上がりやダウンタイムかもしれません。

シミ取りレーザーの治療後は、赤みやかさぶた、一時的にシミが濃くなるなど、肌に変化が現れます。今回は、施術直後~1週間後、1か月後の経過やシミ取りレーザー治療後の注意点、シミ取り後のスキンケアなどをご説明します。

シミ取りレーザーの経過

シミ取りレーザーには、Qスイッチレーザーやピコレーザーなどいくつかの種類があります。現在ではピコレーザーが主流で、当院でも採用しています。ピコレーザーは照射時間が非常に短いことから肌へのダメージが少ないとされています。

また、従来のレーザーと比較して色素沈着が起こりにくく、ダウンタイムが短いことが特徴です。初めてシミ取りレーザーで治療したい方にも選ばれている理由のひとつと考えられます。

以下は、ピコレーザーでの一般的な経過です。

シミ取りレーザーの施術後は、数日から数週間かけて少しずつ変化していきます。事前に経過を知っておくことで、自然な反応かどうかがわかり、落ち着いてケアができるでしょう。

当院ではピコレーザー(ピコシュア)を採用しており、従来のレーザーと比較して肌へのダメージが少ないことが特徴です。

ピコシュアは従来型のQスイッチレーザーやIPL(光治療)と比較して、薄いシミにも反応しやすいです。また755nmという波長を使用しているため、有色人種である日本人のシミ取りには非常に適したレーザーとして知られています。

ピコレーザーによる顔や手のレーザー治療で、3カ月後までの経過を調べた研究によると、大きな副作用もなく、91%の方で効果が得られたという報告があります1)

施術直後の反応

照射直後は、肌の赤みや軽度のヒリヒリ感が出ることがあります。数時間~1日程度で落ち着くことが多く、一般的に翌日以降は茶色いかさぶたのような状態になります。

自然に剥がれるまで無理に剥がさないようにしましょう。ヒリヒリ感は肌を冷却することで軽減可能で、メイクは翌日から可能です。

1週間後の経過

施術部位には茶色いかさぶたが形成され、5~7日程度で自然に剥がれ落ちます。無理に剥がすと肌に負担がかかり、色素沈着や跡が残るおそれがあるため、触らないようにしましょう。

また洗顔やスキンケアなど肌に触れる行為は、できるだけやさしく行ってください。

1週間~1か月の経過の目安

かさぶたが剥がれ落ちた後、淡い赤みや一時的にシミが濃くみえる「戻りジミ」が現れることがあります。

これは炎症後色素沈着と呼ばれ、一時的な反応で通常は少しずつ薄くなっていきます。戻りジミは2~3週間後に現れやすく、3~6カ月程度で薄くなっていくことが特徴です。

シミ取りレーザー治療後の注意点

施術後の肌は非常に敏感になっているため、注意点を押さえておきましょう。

副作用・リスク

  • 赤み・腫れ…施術直後に出やすいが、数時間~数日程度で落ち着くことが多い。
  • かさぶた…自然に剥がれるまで無理に剥がさない、触れないようにする。
  • 炎症後色素沈着…一時的にシミが濃くなったように感じることがあるが、数か月でシミの色が薄れていくことが多い。
  • 治療後の赤みやむくみ、かさぶた、水ぶくれ(程度は少ない)などは3~5日以内に解消される2)

治療後に避けるべきこと

  • スクラブやピーリング剤の使用で肌に強い刺激を与える。
  • 海水浴やアウトドアなど、強い紫外線を浴びる。
  • かさぶたに触れる、無理に剥がす。
  • 熱いお風呂やサウナに長時間入る。
  • 激しい運動や飲酒で血流を急激に上げる。

赤みや色素沈着ができたときの対処法

赤みが続く場合は、より日焼け対策に気をつけて保湿剤で肌を守ることが大切です。

また戻りジミが出た場合は、ハイドロキノンやビタミンC誘導体などを医師の指導の下で使用してください。悪化する場合や長引く場合は、必ずクリニックに相談しましょう。

些細なことでも気になることはクリニックに相談し、自己判断で対処しないでください。

シミ取り後のスキンケア

シミ取りレーザーは、治療をしたら終わりではありません。

特にレーザーを照射した肌は敏感になっているため、紫外線対策や正しいスキンケアを行いましょう。

紫外線対策と日常生活での注意点

レーザー照射後の肌は、一時的に非常に敏感になっています。いつも以上に紫外線に弱く、色素沈着を招きやすい状態です。

SPF30~50、PA+++以上の日焼け止めを使用し、午前10時~午後2時はできるだけ外出を避け、外出時は帽子やサングラスを活用してください。

また、曇りの日でも常に紫外線が降り注いでいるため、日焼け止めは毎日使用することを心がけましょう。暑い日は皮脂や汗で日焼け止めが落ちやすいため、2~3時間ごとにこまめに塗り直すことがポイントです。ま

た洗顔や保湿も摩擦を避け、できるだけやさしく行なってください。

おすすめの外用薬・内服薬(ハイドロキノン・トラネキサム酸・ビタミンC)

  • ハイドロキノン…メラニン生成を抑え、戻りジミの予防に効果が期待できる。
  • トラネキサム酸…抗炎症作用があり、シミの悪化を予防する効果が期待できる。
  • ビタミンC…抗酸化作用で紫外線ダメージを軽減し、コラーゲン生成をサポートする効果が期待できる。

※ハイドロキノン、トラネキサム酸の副作用として赤みやかゆみが出ることがある

スキンケアで避けるべきNG行動(摩擦・強いピーリングなど)

以下のようなスキンケアは刺激となりやすいので避けましょう。

  • スクラブ…摩擦が強く、かさぶたを剥がしてしまうおそれがある。
  • ピーリング剤や高濃度レチノール…肌のターンオーバーを促進する成分のため、炎症を悪化させるおそれがある。
  • ホットタオルや熱いお湯で洗顔…血流が急に高まり、肌の赤みが悪化しやすい。ぬるま湯で洗顔する。
  • かさぶたに触れる…無理に剥がす行為は色素沈着や跡につながるおそれがある。

シミ取りレーザー治療の効果

シミ取りレーザーはピンポイントで気になるシミを改善する治療です。

コンシーラーなどでカバーしなくてもよくなり、肌の印象に変化が見られます。シミ取りレーザーの基本から効果が期待できるシミ、施術の流れを見ていきましょう。

シミ取りレーザーとは

シミ取りレーザーはシミの原因となっているメラニン色素にレーザーを照射し、色素を細かく破壊してメラニン色素を排出する治療です。

当院で導入しているピコレーザーは照射時間が非常に短く、周囲の皮膚へのダメージをできるだけ抑えて気になるシミを改善に導きます。

痛みの程度には個人差がありますが、「輪ゴムでパチンと弾かれる」程度の痛みとされています。

どんなシミに効果がある?

一般的にシミといわれるのは、医学的には「老人性色素斑」といいます。

このシミやそばかすはレーザー治療で効果が期待できることが特徴です。また後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)もレーザーの適応です。

一方、肝斑は強いレーザーを照射すると悪化することがあります。そのため、肝斑の場合はレーザートーニングや内服薬など他のアプローチが選ばれるケースが多いです。

治療の流れと所要時間

1.カウンセリング

医師とカウンセラーが丁寧にカウンセリングを行います。気になることはお気軽にお尋ねください。

2.洗顔

カルテ記録保存用に写真撮影を行ないます。モニター契約をされない限り、外部流出はありませんのでご安心ください。撮影後は洗顔をし、顔をきれいにしていただきます。

3.施術

ご希望に合わせて施術します。

4.アフターケア

クーリングや保湿などを行い、終了となります。

治療を受ける前に知っておきたいこと

シミ取りレーザーは気になるシミに直接アプローチできますが、どのクリニックで受けるか、何回で完了するかによって満足度が異なります。

クリニック選びのポイント

医師がしっかりとシミの種類を判別して治療するクリニックがおすすめです。

シミの種類を見極めないままレーザー治療をすると悪化するケースもあります。

また炎症後色素沈着などが出た場合にどのような対応をしているのか、アフターケア体制も重要です。カウンセリングで確認しておきましょう。

1回で完璧に消えるケースは少ない

すべてのシミが1回の治療で改善するわけではありません。たとえば、境界がはっきりしている濃いシミは1回で薄くなることが多く、広範囲のシミやもともと薄いシミ・そばかすは複数回の施術で少しずつ薄くなるなど、シミの程度によって異なります。

気になっているシミが何回くらいの施術で期待した効果が出るかをカウンセリングで聞いておくと安心材料になるでしょう。

ピコレーザーで30部位に治療した16名のうち、51~75%の改善を示した。

満足度の調査で2回目の治療前には67%が満足または非常に満足、治療3回目では83%、治療4回目では90%が満足した、という報告があります2)。このことから、回数を重ねると改善されやすく、満足度も高くなると考えられます。

症例

施術内容ピコトーニング
費用ピコトーニング 1回 30,800円
副作用・リスク痛み、赤み、熱感、色素沈着、色素脱失、毛嚢炎、水疱形成、肝斑の悪化
施術内容ピコトーニング
費用ピコトーニング 4回 123,200円(1回 30,800円)
副作用・リスク痛み、赤み、熱感、色素沈着、色素脱失、毛嚢炎、水疱形成、肝斑の悪化

費用

以下の治療は、保険が適用されない自由診療です。

ピコスポットシミ・そばかす~5mm 1個につき5,500円
6~10mm 1個につき8,800円
11~20mm 1個につき15,400円
ADM1回33,000円
シミ取り放題1回 顔99,000円77,000円
2回目(初回から半年以内)顔55,000円
ピコトーニング頬のみ初回トライアル22,000円
全顔1回33,000円
5回110,000円
10回165,000円
20回297,000円
ピコホワイトニング 1回110,000円
ピコフラクショナル頬のみ初回トライアル22,000円
全顔1回33,000円
5回110,000円

よくある質問

ダウンタイムが取れない人はどうしたらよいですか?

ピコレーザーのピコトーニングがおすすめです。

ピコレーザーは従来のレーザーよりもダウンタイムが短いことが特徴ですが、ピコトーニングは弱い出力で広範囲に照射できるため、ダウンタイムをより短くすることが可能です。

シミ取りレーザー後、仕事や外出はいつからできますか?

仕事や外出は基本的に翌日から可能です。肌の赤みはコンシーラーなどでカバーできます。

大きなイベントがある場合は、色素沈着やかさぶたが落ち着く1~2週間後以降にイベントがくるように施術日を調整すると良いでしょう。

気になるシミがある方は、ネス駒沢クリニック 皮膚科・形成外科・美容へ

シミ取りレーザーは肌の赤みやかさぶた、一時的な戻りジミなどの経過をたどって半年~1年かけて肌を整える治療です。

当院で導入しているピコレーザーは従来のレーザーと比較して肌の負担が少なく、幅広いシミに対応しています。

施術後の肌の経過の変化を知り、紫外線対策やスキンケアを行うことで理想的な肌に近づけるでしょう。気になるシミがある方は、当院へお気軽にご相談ください。

【ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容|吉武光太郎 監修】

参考文献

(1)Prospective Study of 532-nm Picosecond Laser for the Treatment of Pigmented Lesions of the Face and Dorsal Hands
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36342252

(2)Treatment of facial and non‐facial lentigines with a 730 nm picosecond titanium: Sapphire laser is safe and effective
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9291180

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