ピコスポット施術後の経過について。かさぶたになるって本当?
2022.03.07シミ取り
ピコスポットは従来のレーザー治療よりも非常に短時間で照射可能なため、ダウンタイムが短く、肌へのダメージが少ないと考えられています。
今回は、ピコスポットの経過や他のレーザー治療との違い、メリット・デメリットなどをご説明します。
ピコスポットとは
ピコスポットはピコレーザーで行うレーザー治療の一種で、狙ったところにピンポイントでレーザーを照射し、衝撃波によってシミを除去する治療法です。
従来のQスイッチレーザーではナノ秒(10億分の1秒)という短時間で照射していましたが、ピコレーザーはピコ秒(10兆分の1秒)というさらに短い時間でレーザー照射が可能です。
そのため、短時間でシミやそばかすを除去でき、肌へのダメージは少なく、炎症後色素沈着を起こしにくいとされています。
またピコスポットは通常、1~3回で治療が完了します。
個人差はありますが、輪ゴムでパチンと弾かれたような痛みを感じることがあり、肝斑は悪化する可能性があるため、適していません。
ピコレーザーによる他の治療法として、以下の2種類があります。
ピコトーニング
ピコトーニングとは、ピコ秒で照射される低出力のレーザーを広範囲に照射することで皮膚へのダメージを少なくし、メラニン色素を減少させる治療法です。
それによりトーンアップをしたり、肝斑の治療や肌のキメを整えて美肌に導きます。
ピコフラクショナルレーザー
ピコフラクショナルレーザーは、ニキビ跡のクレーターや毛穴などの改善により、美肌を実現するための治療法です。
皮膚表面には穴が開かず、真皮層の細胞を刺激してコラーゲンやエラスチンの生成を促進し、肌質改善などに効果が期待できます。
皮膚へのダメージが少なく、従来のフラクショナルレーザーよりダウンタイムが短いことも特徴です。
ピコスポット照射後はかさぶたができる?
基本的にレーザー治療をした後は軽度の火傷をしたような状態となり、ほとんどの場合、その後はかさぶたができます1)。
ただしピコスポットの場合はあまりかさぶたが目立たないことが特徴のひとつです2)。
かさぶたができたとしても通常は1~2週間程度で自然と剥がれ落ちるため、無理に剥がさないようにしましょう。
無理にかさぶたを剥がした場合、皮膚がダメージを受け、炎症後色素沈着を生じるリスクが高くなります。
新しい皮膚が現れた後は、患者さんのご希望によってはトーンアップのためにピコトーニングなどの施術をし、顔全体のシミをより薄くするケースもあります。
ピコスポットのメリット・デメリット
ピコスポットのメリット・デメリットには、主に以下のようなことが考えられます。
メリット
- 炎症後色素沈着や痛みを起こしにくい
- ナノ秒のレーザーに比べるとダウンタイムが軽い
- 1~3回の少ない施術回数で効果が期待できる
デメリット
- 肝斑には適していない
- 人によっては痛みを感じることもある
- 色素沈着が起こることもある
他のシミ取りレーザーとの違い
ピコスポットは、従来のレーザーではアプローチできなかった微粒子サイズまでメラニン色素を破壊できるとされています。
粉砕されたメラニン色素はマクロファージという細胞によって処理され、リンパ管を通って体外へ排出されます。
メラニン色素は細かく砕かれるほど代謝によって排出されやすいため、シミの除去に対して他のレーザーよりもより効果的と考えられます。
ピコスポットはこんな方におすすめ
ピコスポットは、主に以下のようなことでお悩みの方におすすめです。
- 顔にシミ境界がしっかりわかる目立つシミがある
- 少ない照射回数でシミを取りたい
- できるだけ短時間でシミを消したい
- 光治療で取れなかったシミがある
- 周囲に気づかれずにシミを除去したい
- ADMを薄くしたい
ピコスポット治療の流れ
1.カウンセリング・診察
医師が肌の状態を確認し、施術内容や注意点などをご説明します。
ご希望や気になることは、お気軽にご相談ください。
2.洗顔
クレンジングと洗顔で、メイクや皮脂を十分に落とします。
3.治療・アフターフォロー
ピコスポットによるレーザー照射を行います。
患部以外は、当日からメイクが可能です。
ピコスポット治療後の経過
ピコスポットの治療後の経過は、以下のようなことが考えられます。
経過には個人差があります。
- 気になる部位にレーザーを照射した直後は、患部が白くなり徐々に黒くなります。茶テープでの保護をお勧めしますが、肌の状態やご希望によってはテープ無しにすることも可能です。
- 施術1~2週間は患部が黒くなります。薄いかさぶたが生じることもあります。
- 時間の経過とともに黒い色素が排出され、ややピンクがかった肌になります。1ヵ月くらいで色素沈着が生じることもあるため、ハイドロキノンやトレチノインなどを併用する場合もあります。
- その後は患部が落ち着き、徐々に肌色に馴染みます。シミを繰り返さないように紫外線対策をしましょう。
ピコスポットの副作用・リスク
施術の副作用やリスク、注意点として、主に以下のようなものが考えられます。
治療の経過や効果には、個人差があります。
- ダウンタイムは1~2週間程度、黒っぽくなりますがメイクやテープで隠していただくことも可能です。
- 患部への刺激を避ければ、メイクや洗顔は当日から可能です。
- 治療直後から外出可能ですが、保湿や紫外線対策をしっかり行いましょう。
- 痛みや赤み、色素沈着や色素脱失が生じることがあります。
- シミの状態によっては、完全に除去できない可能性があります。
- 肝斑の治療には向いていません。
- 施術後に生じたかさぶたは、無理に剥がさないようにしてください。
- 色素沈着が起きることがありますが、約3~6ヵ月で目立たなくなります。
以下に該当する方は、治療をお控えください。
- 妊娠中・授乳中の方
- 光過敏症の方
- てんかん発作の既往歴がある方
- 重度の糖尿病の方
- 施術前に日焼けをしている方
- 日焼けをする予定がある方
- 心臓のペースメーカーを使用している方
- 慢性疾患がある方
ピコスポットの施術料金
当院の施術料金は、以下の通りです。
項目 |
円(税込) |
|
---|---|---|
ピコスポット シミ・そばかす |
~5mm 1個につき | 5,500円 |
6~10mm 1個につき | 8,800円 | |
11~20mm 1個につき | 15,400円 | |
ピコスポット ADM |
1回 | 33,000円 |
ピコスポット 顔あて放題 |
1回 | 99,000円 |
ピコスポット 顔あて放題2回目(初回から半年以内) |
1回 | 55,000円 |
ピコスポット 顔あて放題1回 + ピコトーニング全顔1回 |
1回 | 110,000円 |
ピコスポットはできるだけ短時間で早くシミを除去したい方に向いているレーザー治療です。
当院では患者さんのお肌の状態やご希望を丁寧にヒアリングし、患者さんとご相談のうえで治療内容を決定します。
気になるシミを除去したい方はぜひ当院へご相談ください。
【参考】
(1)宮地良樹 他.『エビデンスに基づく美容皮膚科治療』中山書店.2019
(2)宮田成章.『イチからはじめる 美容医療機器の理論と実践 改訂第2版』全日本病院出版会.2021.