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眉下切開はやめた方がいい?後悔しないための判断基準と注意点を医師が解説

2025.09.17目の下のクマ・たるみ取り

「眉下切開って、やめた方がいいのかな…」「傷跡が目立ったらどうしよう」と迷っている人も多いのではないでしょうか。

眉下切開は眉下のたるんだ皮膚を引き上げるたるみ改善の施術ですが、一方で「やめた方が良い」という意見もあります。

今回は、眉下切開はやめた方がいいといわれる理由や眉下切開で理解しておきたい注意点、向いている人・向いていない人、信頼できるクリニック選びのポイントなどをご紹介します。

眉下切開はやめた方がいいといわれる理由とは?

眉下切開は「思っていたよりも傷跡が残って後悔している…」という声も少なくありません。どのような場合に治療をやめた方が良いのか、以下で見ていきましょう。

傷跡が残る

眉下切開は、まったく傷跡が残らないということはありません。

通常は眉毛ギリギリのラインを切開するため、時間の経過と共に傷痕は薄くなり目立たなくなります。手術の位置によっては赤みが落ち着くまでに時間がかかり、傷跡が盛り上がることもあります。

眉毛の皮膚がやわらかくない方や眉毛が薄い方は傷跡が目立ちやすくなる場合があります。

手術の経験豊富で、信頼できる医師にお願いすることで傷痕を目立ちにくくすることができます。

左右差が出ることがある

眉毛やまぶたは左右非対称なことが多く、目の開きや左右のバランスを考えながら施術を行わないと不自然な眉ラインとなることがあります。また、ほんの少しでも切除量を誤ると左右差が出やすいことがあります。

経験や技術力のある医師であれば左右差を考えた上で施術を行うため、自然なバランスに仕上げることが可能です。

施術前後であまり効果が感じられないことがある

眉下切開はまぶたの厚みや目の開き具合の改善には効果が感じられないことがあります。中でも、まぶたの脂肪が多い場合やまぶたが開きづらい場合は、眼瞼下垂(がんけんかすい)手術が適していることもあります。

眼瞼下垂手術とはまぶたが正常に開かない状態を改善する治療です。患者さまの目元の状態を見て、適した治療法をご提案します。

眼瞼下垂手術については、こちらの記事もご覧ください。

目の疲れにつながることがある

手術後は瞬きがしにくくなることがあります。疲れ目やゴロゴロ感、目が乾きやすくなるなどの症状がしばらくの間続くことがあります。

万が一、施術後の目の違和感が治らない場合は医師にご相談ください。

眉下切開で理解しておきたい注意点

眉下切開では、大きく分けると3つのリスクがあります。安心して施術を受けるためにも大事なポイントのため、しっかり確認しておきましょう。

傷跡について

眉下切開では、傷跡が目立つリスクが高いといわれています。眉下切開は眉のすぐ下を切開して縫合することから眉に隠れやすいと思われやすいですが、実際は縫い目が凹んだり盛り上がったりする場合があります。

また、線状に残る、赤みが長引くなどのリスクもあります。傷跡が落ち着くまでに半年~1年ほどかかることもあります。

手術に進む前に、傷跡がどのように変化するのか、どれくらいで傷跡が目立たなくなるのかなどをしっかり医師と確認することが重要です。当院では細心の注意を払って手術を行っています。

ひきつれのリスク

顔は完全な左右対称ではないため、骨格の差や筋肉のつき方、皮膚のたるみの強さなど、ほんの少しのズレで手術後の左右差が強調されることがあります。

たとえば皮膚を引き上げることで、眉毛の位置がおかしくなった、目がつり上がってみえるようになった、表情が不自然になった、という結果になることもあります。とくに技術が不十分な医師が手術をすると仕上がりに差が生まれやすいです。

当院では、経験豊富な医師が担当します。左右差などが生じた場合は、必要に応じて追加手術などで最後まで責任をもって対応しています。

ドライアイなどのリスク

皮膚を切開して上に引き上げるため、瞬きがしにくい、まぶたがつっぱる、ドライアイになるというトラブルが起こることがあります。覆っていたまぶたの皮膚が少なくなることで、瞬きがしにくい、目が乾きやすい、などの違和感が出ることがあります。もともとドライアイ気味の方や目の開きがよくない方は、ドライアイを感じやすいといわれています。

上眼瞼形成術(じょうがんけんけいせいじゅつ)が眼の表面や涙液膜、ドライアイの症状に及ぼす影響を調査することを目的とした手術を受けた22名のうち、術後1ヵ月、および術後6ヵ月で以下のことがわかっています。

目のゴロゴロ感や目の乾きなどドライアイの症状が悪化し、角膜の傷の検査でもダメージが増加、また涙がどの程度長く留まっていられるかを測定する検査でも早く涙が乾いたという報告があります1)

時間の経過とともに改善することが多いですが、完全に手術前のように戻らない場合もあるため、目が乾きやすい方は事前にカウンセリングでご相談ください。

眉下切開に向いている人はどんな人?

眉下切開に向いている人、向いていない人は以下の通りです。

またカウンセリングにお越しいただいても、患者さまの状況を見て手術を進めないケースもあります。

向いている人

  • 目元のたるみが気になる方
  • 眉下の皮膚がたるみ、重みがある方
  • 二重のラインが重なって、目が小さく見える方

向いていない人

  • 若い方
  • 上まぶたのたるみが少ない方
  • ケロイド体質の方
  • 皮膚がデリケートな方
  • 傷跡を残したくない方

手術を進めないケース

眉下切開は傷跡が目立つ可能性がありますが、まぶたの重みをとりたい方、目元のたるみが気になる方には適している手術です。

ただし、以下のような方は手術を進めないケースがある。

  • 目元のたるみがほとんどない
  • 傷跡に対する不安が大きい
  • ケロイド体質で将来妊娠の予定がある
  • まぶたの皮膚が極端に薄い

上記のような状態の場合、期待した効果が得られないことやトラブルにつながるおそれがあります。当院では患者さま一人ひとりのお悩みやお肌の状態を見て、手術を決定します。お気軽にご相談ください。

眉下手術が向いている方、向いていない方については、「眉下切開が向いている人の特徴やメリットを専門医が解説」もご覧ください。

信頼できるクリニック選びのポイント

クリニック選びで確認するべきポイントを3つご紹介します。

症例写真

傷跡の仕上がりや左右差、腫れの程度などを可能な限り多くの写真で確認しましょう。とくに経過が記載されているもの、同年代やご自身と似た顔立ちの方の症例だと参考になりやすいです。

カウンセリングが丁寧か

信頼できるクリニックかどうかは、カウンセリング時の対応に差が出ます。とくに以下の3つの点がポイントです。

皮膚はどれくらい切開するのか

皮膚の切る量や希望するデザインによって仕上がりが大きく変わります。今抱えているお悩み、症状、ご希望に応じて、「今の状態で手術をしたらどのような変化があるのか」を具体的に聞いておきましょう。

傷跡はどれくらい残るのか

切開するため、傷跡が消えることはありません。患者さまの体質や肌質で、どの程度傷跡が目立つ可能性があるのかは事前に聞きましょう。「傷跡が目立つことはありません」と断言する医師には注意してください。

万一のトラブル時の対応について

傷跡や左右差の修正、アフターフォローの有無をしっかり確認しましょう。「何かあったら対応する」というような具体性のない回答ではなく、内容や追加費用などの詳細も丁寧に説明してくれる医師やクリニックは信頼度が高いといえます。 

術後のケア方法

眉下切開のダウンタイムは約1~2週間です。手術当日~翌日はしっかり冷やしましょう。抜糸までは傷口が開かないように、洗顔はやさしく、強くこすらない、激しい運動は控えるなど、傷口に負担をかけない生活を送りましょう。

また抜糸後は傷口に紫外線対策と保湿が必要です。手術部位は紫外線に敏感になっています。紫外線カットのテープを貼る、日焼け止めを塗る、医師から処方されたクリームなどで保護するなど、しっかりケアをしましょう。

眉下切開と他の施術の違い

眉下切開以外にも、目元のたるみ取りに関係する施術には種類があります。目的や期待できる効果が異なるため、しっかり確認しておきましょう。

二重整形

眉下切開は眉の下を切開し、たるみを取り除く手術です。皮膚のたるみを取ることで目元をすっきりさせることを目的としています。主に40代以降の方向けの手術治療です。一方、二重整形はまぶたに二重のラインをつくる手術で、二重を作ること、二重の幅を変えることを目的としています。

20~30代の若い層にも人気の手術ですが、皮膚のたるみに直接関与するわけではありません。目元のたるみも二重ラインも作りたい場合は併用も検討すると良いでしょう。

眼瞼下垂

眉下切開は眉の下を切開し、たるみを取り除く手術ですが、目の開き具合には直接影響しません。眼瞼下垂はまぶたを持ち上げる筋肉を調整する手術です。視野が狭い方、まぶたが開きづらい方に適していて、保険適用の場合もあります。まぶたが開きにくい、視野が狭い場合は眼瞼下垂手術を検討すると良いでしょう。

糸リフト

眉下切開は、眉の下を切開してたるみを取り除く手術です。目元のたるみにだけ関与し、顔全体には影響しません。一方、糸リフトは顔全体のたるみを引き上げる手術で、ほうれい線やフェイスラインの引き締めに効果が期待できます。

目元のたるみが気になる場合は眉下切開、顔全体のたるみが気になる場合は糸リフトを検討すると良いでしょう。「何を改善したいか」によって、選ぶ手術が異なる。複数のお悩みがある場合やどの手術が適しているかわからない場合には、お気軽に当院へご相談ください。

症例

眉下切開で上まぶたのたるみ(かぶさり)が自然な見た目で解消しているのがわかります。この方の場合、傷跡も2ヶ月時点でほとんどわからないです。

費用

眉下切開の手術は、保険が適用されない自由診療(自費)です。

価格はすべて税込表示です。

眉下切開

上眼瞼のたるみとり通常価格:275,000円モニター価格:242,000円
吉武医師(指名料)33,000円

二重整形

切らない眼瞼下垂+埋没二重 327,800円
埋没二重220,000円
全切開二重385,000円

眼瞼下垂

眼瞼下垂手術は、保険が適用される場合があります。保険適用は、中等度~重度の眼瞼下垂で機能改善目的に限られます。見た目改善を目的とする場合は、保険適用外です。

保険適用の場合(両目)

3割負担40,000〜50,000円
1割負担15,000円前後

保険適用外の場合(両目)

両目473,000円
笑気麻酔(ガス麻酔)5,500円

糸リフト

テスリフト1本66,000円
片側2本(計4本)259,600円
片側3本(計6本)374,000円
片側4本(計8本)495,000円
VXILリフト1本55,000円
片側3本(計6本)297,000円
片側4本(計8本)352,000円
片側5本(計10本)363,000円
VOVリフトプレミアム1本44,000円
片側3本(計6本)217,800円
片側4本(計8本)264,000円
片側5本(計10本)308,000円
NESリフト片側3本(計6本)275,000円
片側4本(計8本)330,000円
片側5本(計10本)385,000円

※おまかせで医師があなたにあった糸を選びます。

副作用・リスク

眉下切開

1週間後に抜糸を行うので、ダウンタイムは1週間となります。 メイクは傷の部分以外は翌日から可能です。傷のところは抜糸が終わり問題なければメイクできるようになります。

  • 皮膚を切るため内出血のリスクがあります。
  • 内出血をした場合は、2〜3週間で青あざから黄色くなって吸収され肌色になります。

抜糸後は傷跡が赤みをおびてきます。

  • 抜糸後はメイクで隠していただけます。半年間ぐらいかけて傷跡の赤みが薄れてより目立たなくなります。中に縫ってある溶ける糸が露出してくることがあります。
  • そのままにしておいても特に問題はありませんが、気になる場合は露出した糸を摘み取ることができます。

眉毛に切れ込んで手術跡を目立たなくするため、眉毛が細くなります。

よくある質問

Q. 眉下切開のダウンタイムはどのくらいですか?

A. ダウンタイムは約1~2週間で、術後1週間で抜糸を行います。内出血した場合は2~3週間で青あざが黄色くなり、吸収されてもとの肌色に戻ります。

抜糸後は傷跡をメイクで隠すことができ、半年くらいで赤みが落ち着きます。

Q. 傷跡はどのような経過をたどりますか?

A. 眉下切開の傷跡は、1週間後の抜糸後から始まります。

はじめは線状のピンク色の傷跡になり、半年間ほどでピンク色が本来の肌色になじんで少しずつ目立たなくなります。

目元のたるみが気になる方は、ネス駒沢クリニック・形成外科・皮膚科・美容へ

眉下切開は、目元のたるみを改善したい方にとって選択肢のひとつです。

しかし、傷跡のリスクや患者さまの症状による向き不向き、ダウンタイムなどを十分に理解したうえで本当に必要な手術かどうかを判断することが大切です。

信頼できるクリニックを選び、理想の目元を手に入れましょう。目元のたるみが気になる方は、当院へご相談ください。

【ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容|吉武光太郎 監修】

参考文献

(1)Effect of upper eyelid blepharoplasty on the ocular surface, tear film, and corneal microstructure

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38537039

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