機種で大きく変わるピコレーザーの効果| 最新機種のピコシュアのメリット・デメリット
2022.11.02シミ取り
ピコレーザーの機種には多くの種類があり、クリニックによって使用しているレーザーが異なります。
今回は、ピコレーザーの機種それぞれに期待できる効果や、当院で使用しているピコシュアのメリット・デメリットについてご説明します。
ピコレーザーとは
ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒)単位で肌にレーザーを照射するため、従来のQスイッチレーザーの照射時間であるナノ秒(1億分の1秒)よりも短く、肌へのダメージが少ない治療法です。
シミやそばかす、くすみ、毛穴、ニキビ跡、肝斑などに効果が期待できます。
ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルと3つの照射モードがあり、肌の状態に応じてさまざまな治療を行います。
ピコスポット
ピコスポットは、高出力のレーザーを気になるシミやそばかすにピンポイントで照射して除去する治療法です。
照射時間がピコ秒と非常に短く、肌へのダメージが少ないため、ダウンタイムが少ないことが特徴です。
また熱ではなく衝撃波による照射で、従来のレーザーと比較してより細かい微粒子サイズまでメラニン色素を破壊し、シミを改善します。
症状により異なりますが、基本的に1~3回程度の照射が必要です。
ピコトーニング
ピコトーニングは、低出力のレーザーを顔全体に照射することで、シミやくすみ、肝斑、肌質改善などに効果が期待できます。
これまで肝斑は悪化するリスクがあるため、レーザー治療ができませんでしたが、ピコトーニングは低出力のレーザーを何回も肌に照射するため、肝斑への治療も可能となっています。
肝斑の治療をする方は、トラネキサム酸の内服薬や、ハイドロキノン、トレチノインなどの外用薬を併用するとより効果が期待できます。
当院でピコトーニングを受ける方は、トラネキサム酸の内服を必須としています(ご病気等で内服できない方を除く)。
ピコフラクショナル
ピコフラクショナルは、レーザーを細かい点状に照射して真皮のコラーゲンやエラスチンを増加させる治療法です。
皮膚表面には穴を開けず真皮層の細胞を刺激してコラーゲンやエラスチンの生成を促進し、ニキビ跡のクレーターや毛穴などの改善、肌質改善などに効果が期待できます。
皮膚へのダメージが少なく、従来のフラクショナルレーザーよりダウンタイムが短いことも特徴です。
レーザー治療のパルス幅と波長
美容レーザーの治療では、改善したい症状によって、波長・パルス幅・照射エネルギーの3つが正しく組み合わせられているかが大切です。
波長
波長とは、ひとつの波が生じてから次の波が生じるまでの長さのことをいいます。
波長には短い方から順に、ガンマ線、X線、紫外線、人が認識可能な可視光線、赤外線、電波があり、それぞれ皮膚へ到達する深度が異なります。
一般的には、波長が短いほど皮膚表面へはたらき、波長が長いほど皮膚の奥深くまで届きます。
パルス幅
レーザーは皮膚に照射したときの皮膚の反応を確認し、照射するエネルギーを調節して、適切な加減で肌に照射していきます。
パルス幅とは、1回の照射時間のことをいい、パルス幅が長いほど皮膚へのダメージが強くなります。
パルス幅が短い場合は皮膚へのダメージが少なくなり、ピークパワーが上がって狙ったところにピンポイントで照射可能です。
またダウンタイムも短くなると考えられています。
レーザーは、波長によってある物質や色に反応し、吸収される性質をもっています。
レーザー治療はこの特性を活かし、ターゲットを狙って熱によって破壊するため、周囲の組織へのダメージを少なくしながら治療を進められます。
たとえばシミ治療の場合は、シミの元になっているメラニンの吸収率が高いレーザーを照射します。
また毛細血管拡張症など血管にレーザーを照射したい場合はヘモグロビンの吸収率の高いレーザーを照射します。
原因となっている色素に応じた波長のレーザーを照射することで、期待した効果が得られやすいと考えられます。
レーザー治療では除去したいターゲットによって波長を選び、パルス幅や照射エネルギーを調整することによって、効率的に肌の悩みを改善していきます。
ピコレーザーの機種
ピコレーザーにはさまざまな機種があり、得意としている症状も異なります。
以下では、当院で使用しているピコシュアを含めた3機種についてご紹介します。
ニキビ跡にはピコシュア
ピコシュアは、業界世界最大手であるアメリカのサイノシュア社によって開発された機器で、755nmの波長が搭載されています。
ピコシュアは、FDA(アメリカ食品医薬品局)でシミやそばかすなどの色素性病変、小じわ、にきび跡について承認を取得しています。
高いメラニン吸収率、低いヘモグロビン吸収率により血管へのダメージを最小限に抑えます。
そのため、戻りジミとされる炎症後色素沈着や内出血のリスクを軽減します。
通常、ピコレーザーではニキビ跡の治療にピコフラクショナルという照射モードを使用します。
755nmという波長は主に真皮層に作用するため、532nmや1064nmなどを搭載している他のピコレーザーと比較してニキビ跡の治療に効果的とされています。
美肌にはピコウェイ
シネロン・キャンデラ社製のピコウェイは、もっともパルス幅が短い機器として知られています。
246psという短いパルス幅で照射できることから皮膚へのダメージが少なく、炎症後色素沈着などのリスクが低いとされています。
またピコフラクショナルでは1064nmという長い波長で照射するため、肌の奥深くに照射でき、コラーゲンの生成などによって、特に肌質改善に効果的と考えられます。
幅広い悩みに対応できるディスカバリー
ディスカバリーピコプラスは、ピコレーザー(532nm・1064nm)、ルビーレーザー(694nm)の3波長を搭載しているため、シミやくすみ、肝斑、ニキビ肌のハリやたるみなどのお悩みのほか、アートメイクやタトゥーの除去など効率的に幅広い悩みに対応できます。
またパルス幅が短いため、ダウンタイムが短いことも特徴です。
ピコシュアのメリット
ピコシュアはピコレーザーの中で唯一のアレキサンドライトレーザーで、755nmの波長が搭載されています。
他のレーザーの波長の1064nmと比較してメラニン色素に対する反応が約3倍も高いため、低エネルギーでも高い効果が期待できます。肌へのダメージが他のピコレーザーよりも少ないことが特徴です。
ピコシュアのデメリット
他のレーザーと比較して肌の奥にはレーザー照射できないため、コラーゲン生成などによる肌質改善は劣る可能性があります。
肌のハリ・ツヤがほしい、美肌になりたいということを一番に求めている方には適していないかもしれません。
ピコレーザーの経過とリスク
施術のリスクや注意点として、主に以下のようなものが考えられます。治療の経過や効果には、個人差があります。
- ピコスポット後は、患部への刺激を避ければ、メイクや洗顔は当日から可能です。
- 治療直後から外出可能ですが、保湿や紫外線対策をしっかり行いましょう。
- 痛みやかゆみ、出血、炎症後色素沈着や色素脱失、毛嚢炎、水疱形成、肝斑の悪化などが生じることがあります。
- シミの状態によっては、1回の治療で除去できない可能性があります。
- 施術後に生じたかさぶたは、無理に剥がさないようにしてください。
- 炎症後色素沈着が起きることがありますが、約3~6ヵ月で目立たなくなります。
- ピコスポット後、1週間は炎症を抑える軟膏を塗布していただきます。
- 基本的にテープ保護は必要ありませんが、レーザーを強めに当てた方、摩擦や日焼けが心配な方、色素沈着を起こしやすい方はテープ保護をお勧めいたします。
- 施術後、一時的にシミが黒くなったりかさぶたになることがあります。
- ピコトーニング後は少し赤みが出ることがありますが、数時間で治まります。
- ピコシュアフラクショナル後は、数時間~数日赤みが出ることがあります。ほとんどは24時間以内に治まります。
以下に該当する方は、治療をお控えください。
- 妊娠中の方
- 光過敏症の方
- てんかん発作の既往歴がある方
- 重度の糖尿病の方
- 施術前に日焼けをしている方
- 日焼けをする予定がある方
- 心臓のペースメーカーを使用している方
- 慢性疾患がある方
施術料金
当院における施術料金は以下の通りです。
ピコスポット シミ・そばかす |
~5mm 1個につき | 5,500円 |
---|---|---|
6~10mm 1個につき | 8,800円 | |
11~20mm 1個につき | 15,400円 | |
ADM | 1回 | 33,000円 |
顔あて放題 | 1回 | 99,000円 |
2回目(初回から半年以内) | 55,000円 |
ピコトーニング 全顔 |
初回トライアル | 13,200円 |
---|---|---|
1回 | 30,800円 | |
5回 | 110,000円 | |
10回 | 165,000円 | |
20回 | 297,000円 |
ピコホワイトニング | (ピコスポット顔あて放題+ピコトーニング) | 1回 | 110,000円 |
---|
ピコフラクショナル | 全顔 | 初回トライアル | 27,500円 |
---|---|---|---|
1回 | 44,000円 | ||
5回 | 165,000円 |
ピコレーザーは波長やパルス幅などの違いから、より効果的に治療できる症状が異なります。
当院で使用しているピコシュアは他のピコレーザーと比較して、メラニンへの反応が3倍程度高く、低エネルギーでも高い効果を見込めます。
気になる症状がある方は、当院へお気軽にご相談ください。