シミ取りレーザー後の赤み・かさぶたはいつまで?ダウンタイム徹底ガイド
2025.11.11シミ取り

「シミ取りレーザーのかさぶたはいつごろ取れるの?」「メイクはいつからできる?」など、シミ取りレーザー後の生活は気になりますよね。
施術後の赤みやかさぶたなどのダウンタイムは、事前に知っておくと安心して治療を進められます。
今回は、シミ取りレーザーのダウンタイムが続く時期、レーザー治療後の経過、注意点、ダウンタイムが軽度なシミ取りレーザーについてご紹介します。ぜひ、シミ取りレーザーでの治療を考えている方は、最後までご覧ください。
シミ取りレーザーのダウンタイムはどのくらい続く?

シミ取りレーザーのダウンタイムは、一般的に数日~2週間ほど続きます。一時的に赤みやかさぶたが現れますが、そのほとんどは自然に落ち着きます。
ここでは、シミ取りレーザーとして広く使用されているピコレーザーを例に、ダウンタイムの期間についてご紹介します。
治療直後の肌の変化
皮膚は外側から順に、表皮・真皮・皮下組織からできています。ピコスポットは表皮~真皮の浅い層に強めにレーザーを照射します。施術直後は赤みやヒリヒリ感が出やすく、赤みやかゆみは数日間続く場合が多いです。医師の指示の下、保護テープを貼って経過を見ることもあります。
かさぶたが剥がれるまで
施術後、レーザーを照射した肌は2日ほどで赤みが落ち着き、約1週間でかさぶたが剥がれ落ちます。ピコスポットを照射すると、シミのある表皮細胞の一部を壊して小さなやけどのような状態になります。その後、破壊されたメラニン色素などを体外へ押し出そうとする働きによってかさぶたができ、自然に剥がれ落ちるころに新しい肌が現れます。
新しい肌は、皮膚の最も外側にある角質層が十分にできていない状態で、バリア機能も低いことが知られています。無理にかさぶたを剥がすと再生中の新しい肌が傷つき、体の防御反応としてメラニン色素が過剰に作られ、炎症後色素沈着を起こします。かさぶたは自然に剥がれ落ちるのを待ち、無理に剥がさないでください。
ダウンタイム期間
ピコスポットのダウンタイムは、約1~2週間です。ピコスポットのダウンタイムは、約1~2週間です。ただし、炎症後色素沈着が起こった場合は、ダウンタイム期間が長引く場合があります。数か月で自然に薄くなることが多いですが、医師の指示の下、ハイドロキノンやトレチノインを併用することもあります。
レーザー治療後の経過

シミ取りレーザー後は、時間の経過とともにダウンタイムの症状が治まり、綺麗な状態に戻っていきます。施術直後の気になる赤みやかさぶたは、多くの場合1~2週間ほどで目立たなくなります。一般的な流れを見ていきましょう。
施術直後
赤みやほてりが現れ、ヒリヒリ感を覚える方もいます。これは、レーザーの熱によって起きる軽度の炎症反応です。赤みやヒリヒリ感は数時間~1日程度で落ち着くことが多く、冷やすことで痛みや赤みを早く落ち着かせることが可能です。
また、軽いむくみが生じることもありますが、数時間~半日程度で治まります。状態によっては保護テープを貼ることもあります。
翌日~数日
少しずつ赤みが目立たなくなり、ピコスポットの場合はかさぶたが生じ始めます。ピコトーニングやフラクショナルの場合は、赤みや腫れが数日残ることがあります。
ある研究では、532nmのピコレーザーを25人に対して3か月ごとに行ったところ、治療後に出た赤みやかさぶたは、平均で2日ほどで治まったという結果でした。多くの人は1日以内に赤みが落ち着いたそうですが、中には4日ほどかかった人もいたと報告されています1)。このことから、ピコレーザーはダウンタイムが短く、肌へのダメージが少ない治療といえるでしょう。
1週間後
かさぶたが自然に剥がれ落ちるころです。レーザーによって皮膚表面にある古い角質やメラニンが壊され、その下から新しい皮膚が出てきます。新しい肌は角質層が十分に育っていない状態で、バリア機能も弱いとされています。
そのため、少しの刺激でも赤みやかゆみ、色素沈着が起こりやすく、紫外線を受けると再びメラニン色素が作られやすい状態です。日焼け止めを毎日こまめに塗って帽子や日傘などを活用することで、直接紫外線を浴びることを避けてください。
1か月後
赤みや色素沈着が落ち着き、メイクでカバーできるころです。紫外線対策やスキンケアを続けることで、肌の状態が安定してきます。109名のうち、炎症後色素沈着は8割近くが3か月以内に解消したと報告されています2)。このことから、1か月後に色素沈着がある場合でも3か月後には改善することが多いと考えられます。
ダウンタイム中の注意点

シミ取りレーザー後のダウンタイムは、アフターケアによって仕上がりに差が生まれます。施術後の赤みやかさぶたは自然な経過で、回復のサインとして知られています。しかし誤った対応によって色素沈着が長引くと、肌の仕上がりに影響する可能性があります。ダウンタイムの注意点を見ていきましょう。
紫外線対策
施術後に現れる新しい肌は、紫外線や摩擦に非常に敏感になっています。とくに以下の点に注意してください。
- 日焼け止めは、SPF30~50・PA+++以上を選ぶ
- 室内外で日焼け止めを塗る、こまめに塗り直す
- 外出時はとくに紫外線の強い午前10時~午後2時は避ける3)
- 外出時は帽子や日傘を使用する
施術後の肌は紫外線や摩擦の影響を受けやすく、メラニン色素が過剰に生成されることで再びシミのような状態になることがあります。これを炎症後色素沈着といい、施術後に注意しなければならない症状のひとつです。
とくにSPF30以上の日焼け止めを毎日使い、紫外線対策を行なうことが効果的とされています。外用薬や施術だけに頼るのではなく、日常生活で紫外線をできるだけ浴びない工夫が、シミや色素沈着を改善するための近道になるとされています4)。
とくに、1日の中でも紫外線量が多いとされる午前10時~午後2時の外出はできるだけ避けることが望ましいでしょう。外出時は帽子や日傘によって、肌に直接紫外線が当たるのを防げるため、必ず使用してください。
かさぶたを無理にはがさない
かさぶたを無理に剥がしてはいけない理由はいくつかあります。
- 照射後の肌は軽いやけどのような状態になっており、体の防御反応としてかさぶたができる。
- かさぶたは細菌感染や乾燥を防ぎ、新しい肌を守る役割を担っている。
- 炎症が強まるとメラニン色素が過剰に生成され、炎症後色素沈着を起こす可能性がある。
かさぶたは1週間ほどで自然に剥がれ落ちるため、無理に剥がさず自然に任せることが大切です。
スキンケア
スキンケアの基本は、摩擦を避ける、低刺激性の成分を選ぶ、十分な保湿をすることです。
レーザー後に出てきた新しい肌はバリア機能が低く、外からの刺激にとても敏感になっています。
そのため、肌への刺激が強い成分は避け、低刺激の成分が配合された化粧水や保湿剤を使用しながら十分に肌を保湿してうるおいを保つことが大切です。また洗顔や保湿時には肌を擦ってダメージを与えないように気を付けましょう。
| 区分 | 成分名 | 特徴・ポイント | 使用の目安 |
| 低刺激性の成分(おすすめ) | セラミド | 皮膚のバリア機能を補い、乾燥や刺激から肌を守る。レーザー後の乾燥防止に有効。 | レーザー後すぐから使用可能。保湿剤・美容液・クリームに配合されているものを選ぶ。 |
| ヒアルロン酸 | 体内にも存在する保湿成分。高い保水力で肌のうるおいをキープ。 | レーザー後の保湿ケアに◎。化粧水やジェルで取り入れると効果的。 | |
| 刺激の強い成分(避けた方がよい) | レチノール | ターンオーバーを促進するが、肌への刺激が強く、赤みや乾燥を起こしやすい。 | レーザー後1〜2週間は使用を控える。肌が落ち着いてから再開を。 |
| 高濃度ビタミンC | 抗酸化作用が高いが、濃度が高いと刺激を感じやすく、施術直後は不向き。 | 肌が落ち着いてから徐々に取り入れるのが安心。 |
肌への摩擦を避けながら、低刺激性の成分で十分に保湿することは肌の回復を高めることにつながります。毎日のスキンケアで取り入れてみましょう。
メイクはいつから可能?
一般的にはかさぶたが剥がれた後、または保護テープを剥がした後にメイクが可能です。コンシーラーなどを使用する場合は擦らずに軽くのせるようにしましょう。メイク落としは刺激の少ないクレンジングジェルやミルクを選ぶことをおすすめします。
運動・入浴は?
激しい運動や入浴による体温上昇や血流の増加は、炎症を強め、肌の回復を遅らせるおそれがあります。軽いウォーキングは施術から数日間、筋トレやランニングなど発汗が多い運動は1~2週間避けてください。
また長時間の入浴やサウナも1週間ほどお控えください。血管拡張によって炎症が強くなるだけでなく、長時間お風呂に浸かることで皮膚がふやけ、かさぶたが剥がれやすくなることがあります。結果として、熱によって皮膚が乾燥して回復が遅れる、赤みが悪化する、かさぶたが早く取れて炎症後色素沈着を起こす場合があります。
ダウンタイムの軽いシミ取りレーザーはある?
シミ取りレーザーと聞くと、「かさぶたが1週間も続くのは困る」という声も聞きます。そのような中で、近年では従来よりもダウンタイムが短いピコレーザーが注目されています。
ピコレーザーの特徴
さまざまなクリニックで導入されているピコレーザーは、従来のQスイッチレーザーと比較して短い照射時間でメラニンを破壊します。短時間で肌にレーザーを照射するため、肌へのダメージが少ないことが特徴です。
当院で導入しているピコシュア(Picosure)は755nmの波長のレーザーを搭載しています。
ある研究では、20人に755nmのピコレーザーを2〜3週間おきに合計4回行い、治療後1か月と3か月の時点で経過を確認しました。その結果、一時的な腫れ・赤み・軽い痛み・かさぶたなどが見られましたが、いずれもごく軽度で、ほとんどが数時間以内に治まり、2日以内には消えたと報告されています5)。この報告からも、755nmのピコレーザーは副作用が軽く、ダウンタイムが短い治療と考えられます。
また、ピコレーザーといっても、照射方法によって以下のようにダウンタイムが異なります。
ピコスポット
短い時間で高出力のレーザーを照射し、シミやそばかすなどをピンポイントで治療します。ほとんどの場合、1~3回で治療が完了します。ダウンタイムは1~2週間程度です6)。
ピコトーニング
低出力のレーザーを顔全体に照射し、くすみや肝斑を治療します。ダウンタイムは、ほとんどありません。施術直後は赤みやヒリヒリ感を覚える方もいますが、数時間で落ち着きます。通常、1か月に1回の施術を半年程度続けることが推奨されています。
ピコフラクショナル
レーザーを細かい点状に照射し、コラーゲンやエラスチンを生成させる治療です。肌質改善を目的としています。ダウンタイムは2~3日程度で、赤みやヒリヒリ感は翌日まで残ることがあります。通常、1か月に1回の施術を半年程度続けることが推奨されています。
症例

| 内容 | ピコトーニング 3回 |
| 費用 | ピコトーニング 3回 92,400円(1回 30,800円) |
| 起こり得る副作用 | 痛み、赤み、熱感、色素沈着、色素脱失、毛嚢炎、水疱形成、肝斑の悪化 |

| 内容 | ピコトーニング 4回 |
| 費用 | ピコトーニング 4回 123,200円(1回 30,800円) |
| 起こり得る副作用 | 痛み、赤み、熱感、色素沈着、色素脱失、毛嚢炎、水疱形成、肝斑の悪化 |
費用
以下は、公的保険が適用されない自由診療(自費)です。
費用はすべて税込です。
| ピコスポット | シミ・そばかす | ~5mm 1個につき | 5,500円 | |
| 6~10mm 1個につき | 8,800円 | |||
| 11~20mm 1個につき | 15,400円 | |||
| ADM | 1回 | 33,000円 | ||
| シミ取り放題 | 1回 顔 | 99,000円 | 77,000円 | |
| 2回目(初回から半年以内)顔 | 55,000円 | |||
| ピコトーニング | 頬のみ | 初回トライアル | 22,000円 | |
| 全顔 | 1回 | 33,000円 | ||
| 5回 | 110,000円 | |||
| 10回 | 165,000円 | |||
| 20回 | 297,000円 | |||
| ピコホワイトニング | 1回 | 110,000円 | ||
| ピコフラクショナル | 頬のみ | 初回トライアル | 22,000円 | |
| 全顔 | 1回 | 33,000円 | ||
| 5回 | 110,000円 |
よくある質問

Q.メイクはいつから可能ですか?
A.ピコスポット後は翌日から可能ですが、洗顔やメイクでできるだけ擦らないように日焼け止めのみを推奨しています。ピコトーニング後は当日から、ピコフラクショナル後は翌日からメイク可能です。
Q.シミ取りレーザーは何回くらいで期待した効果が得られますか?
A.一般的には、3回くらいで効果を感じる方が多いです。ピコスポットの場合、飲み薬や塗り薬の併用で1回でも効果を感じられる方もいます。
ある研究では、755 nmアレキサンドライトピコ秒レーザーの治療を37人に行なったところ、レーザー治療の平均回数は3回程度と報告されています。
シミ取りレーザーをしたい方は、ネス駒沢クリニックへ
シミ取りレーザー後の赤みや腫れ、かさぶたは時間の経過とともに落ち着きます。
シミ取りレーザーのダウンタイムは1~2週間程度です。毎日のスキンケアや紫外線対策をしっかりと行うことで色素沈着を防ぎ、肌の状態が安定するでしょう。
気になるシミがある方は、当院へお気軽にご相談ください。
【ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容|吉武光太郎 監修】
参考文献
(1)Prospective Study of 532-nm Picosecond Laser for the Treatment of Pigmented Lesions of the Face and Dorsal Hands
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36342252
(2)Evaluation of the Efficacy of the 755 nm Picosecond Laser in Eliminating Pigmented Skin Lesions after a Single Treatment Based on Photographic Analysis with Polarised Light
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10816936
(3)Diurnal Variations in Solar Ultraviolet Radiation on Horizontal and Vertical Plane
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3481625
(4)Topical treatment for postinflammatory hyperpigmentation: a systematic review
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34525885
(5)Picosecond laser with specialized optic for facial rejuvenation using a compressed treatment interval
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27546378
(6)Treatment of flat and elevated pigmented disorders with a 755-nm alexandrite picosecond laser: clinical and histological evaluation



