冬になるとかゆい・粉ふき…それ「乾燥湿疹」かも?皮脂欠乏性湿疹の正しい対処法を皮膚科医が解説
2026.02.23お顔のお悩み

冬になると、「手足がかゆい」「肌が白く粉をふく」「かくと赤くなる」といった症状に悩まされている方もいるのではないでしょうか。
「しっかり保湿しているのに治らない」という違和感を抱いているなら、単純な乾燥肌ではなく、皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)かもしれません。放っておくと炎症が悪化し、治りにくくなることもあります。
この記事では、皮脂欠乏性湿疹の正しい対処法について解説します。つらいかゆみから解放されるための参考にしてください。
皮脂欠乏性湿疹とは?乾燥肌との違いとセルフチェック

皮脂欠乏性湿疹について、乾燥肌との違いから説明します。肌状態をセルフチェックしてみましょう。
皮脂欠乏性湿疹とは?
皮脂欠乏性湿疹とは、皮膚の油分(皮脂)が欠乏し、極度に乾燥することで起こる湿疹のことです。一般に、乾燥湿疹とも呼ばれます。
乾燥肌(皮脂欠乏症)の状態が進み、皮膚のバリア機能が壊れることで、外部刺激に弱くなり、赤み・強いかゆみ・湿疹といった炎症反応が生じた状態を指します。皮脂欠乏性湿疹になると保湿だけでは治りにくいため、早めの対処が大切です。
皮脂欠乏性湿疹の主な症状
自身の症状が以下のセルフチェックに当てはまるか確認してみてください。
- かゆみが強い
- 赤み・細かいブツブツがある
- 白い粉・皮膚のひび割れがある
- かくと症状が悪化する
特にすね(下腿)、太もも、腰回りなど皮脂が少ないところに症状が出やすいのが特徴です。
なぜ起こる?皮脂欠乏性湿疹の原因

皮脂欠乏性湿疹は、皮脂分泌量の低下や間違ったスキンケア、入浴習慣による物理的刺激が原因である場合が多くなっています。
加齢と季節
主な原因の一つは、皮脂分泌量の低下です。皮脂は天然のクリームとして肌を守っていますが、特に女性では年齢とともに皮脂分泌量は減少します。
さらに、冬の乾燥した外気や、暖房によるエアコンの使用で室内が低湿度になることが拍車をかけ、肌の水分が奪われてしまう状態が起こります。
物理的刺激
間違ったスキンケアや入浴習慣も大きな原因です。硬いナイロンタオルでゴシゴシ洗う摩擦や、42度以上の熱すぎるお風呂は、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
また、良かれと思って行う頻繁な洗浄も、バリア機能を低下させ、湿疹の原因となります。
皮脂欠乏性湿疹の治し方

皮脂欠乏性湿疹を治すには、石けんの使い方と正しい保湿が大切です。ここではこの2つについて、説明します。
洗いすぎない(石けんの使い方)
入浴時のポイントは、洗いすぎないことです。ナイロンタオルなどの摩擦は避け、石けんを十分に泡立てて、手で優しく洗うようにしましょう。お湯の温度は38〜40度のぬるめに設定し、長湯を避けることで、皮脂の流出を抑えられます。
正しい保湿
保湿剤は、入浴後、肌がまだ湿っているとき、すなわち5分〜10分以内に塗るのが効果的です。塗る量は、ティッシュが肌に貼り付いて落ちない程度にたっぷりと塗ってください。かゆみが強いときは冷たいタオルで冷やすなど、かかない工夫も必要です。
市販薬で治る?皮脂欠乏性湿疹の注意点

市販薬を5〜6日間使っても改善しないときには、医療機関を受診しましょう。
様子を見る期間の目安
市販薬を使用して様子を見る期間の目安は、5〜6日間です。説明書通りに使用しても症状が改善しない、あるいは赤みが広がるなど悪化が見られる場合は、使用を中止してください。
自分に合った薬ではない可能性があるため、早めに医療機関へ相談しましょう。
長引く場合に考えられる原因
症状が長引く場合、市販の保湿クリームだけでは対処しきれていない可能性があります。保湿剤はあくまで保護が目的であり、すでに起きている炎症(赤み・ブツブツ)を鎮める力は弱いためです。
炎症がある状態で保湿だけしても、かゆみが止まらずかいてしまい、さらに悪化する状態に陥ってしまいます。
市販薬で治らない理由

市販薬で治らない主な理由は、炎症レベルに合った治療ができていないことです。保湿剤はバリア機能の補修・予防には有効ですが、強い炎症を消す作用はありません。
皮膚科では、まずステロイド外用薬などで短期間に集中して炎症を抑え、その後保湿ケアに移行するのが標準的な治し方です。
自己判断で薬を中断すると、表面上は良くなっても内部の炎症が残り、すぐに症状を繰り返してしまいます。
皮膚科に行くべきタイミングと治療方法

ここでは、皮脂欠乏性湿疹で皮膚科に行くべきタイミングと、皮膚科での治療方法について、解説します。
受診目安
以下のような場合は、無理せず皮膚科を受診してください。
- 市販薬を5〜6日使っても改善しない
- 何週間も治らない
- かゆくて夜眠れない
- かき壊して、汁が出ている、ジュクジュクしている、痛い
- 湿疹の範囲が全身に広がっている
皮膚科での治療方法
皮膚科での治療は、薬物療法と生活指導の2つから成っています。
薬物療法(外用薬・内服薬)
皮膚科では、皮脂欠乏性湿疹の症状に合わせて主に以下の薬を使用します。
【皮脂欠乏性湿疹の薬物療法】
| 薬の種類 | 働き | |
| 外用薬 | ステロイド外用剤 | 炎症を抑える治療薬。症状の程度に応じて使い分ける。 |
| 非ステロイド性抗炎症薬 | 症状の軽い湿疹や顔などのデリケートな部位に使う。ステロイドに比べて抗炎症作用は弱い。 | |
| 保湿剤 | 皮膚のバリア機能を回復・維持するために使用。乾燥湿疹やアトピー性皮膚炎などで重要。 | |
| 内服薬 | 抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬 | かゆみやアレルギー反応を抑えるために使う。 |
生活指導
皮膚科では、薬だけでなく生活習慣の見直しも指導します。汗や汚れはこまめに洗い流して皮膚を清潔に保つ必要がありますが、ゴシゴシ洗いは厳禁です。
また、入浴後や手洗い後など、皮膚が乾燥しやすいタイミングでこまめに保湿剤を塗り直し、皮膚のバリア機能を守るようアドバイスします。ウールのセーターなどチクチクする刺激を避けることも大切です。
ネス駒沢クリニックの治療の特徴

ネス駒沢クリニックでは、形成外科・皮膚科を併設しており、一般皮膚科として保険診療が可能です。たかが乾燥と放置せず、適切な外用薬とスキンケア指導で早期治療を目指します。
早期に対処することで、かきむしりによる色素沈着(かき跡)や皮膚の肥厚を防ぎ、きれいな肌を取り戻せます。
料金
皮脂欠乏性湿疹の治療は、保険診療が適用されます。
よくある質問

Q.ヒートテックなどの吸湿発熱繊維は着てもいい?
乾燥肌の人は刺激になることがあるため注意が必要です。吸湿発熱繊維は、汗を吸収して熱に変えるため、肌の水分を奪い乾燥を助長することがあります。
また化学繊維が刺激になることもあるので、綿100%のインナーを一枚挟んで、その上に重ね着するようにしましょう。
Q.ワセリンとクリーム、どっちが良い?
ワセリンとクリームは、どちらも保湿剤ですが、特徴に合わせて使い分けましょう。ワセリンは油膜を張り保護力が高いため、亀裂や傷がある場合や部分的な使用に向いています。
クリームやローションは伸びが良く、お風呂上がりなど広範囲に塗るのに適しています。
冬に皮膚がかゆくてお悩みの方は、ネス駒沢クリニック形成外科・皮膚科・美容へ

皮脂欠乏性湿疹は、乾燥肌が進行した状態で、適切な薬とスキンケアでコントロールできる病気です。市販薬で対処できない場合には、我慢せずに早めに医療機関へご相談ください。
「毎年冬はこうだから」と諦めず、つらい症状が悪化する前に、ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容へお気軽にお越しください。丁寧な診察で、あなたの肌を守るお手伝いをいたします。
【ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容|吉武光太郎 監修】
参考文献



