ネス駒沢クリニックからのスタッフコラムColumn

ほくろをなくす方法は?施術方法や施術後の経過を解説

2025.05.30イボ・ホクロ

鏡を見るたびに、「ほくろがなければもっと自分に自信が持てるのに」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

多くの方が抱えるそのお悩み、当院で解決できるかもしれません。自分で何とかしようとすると、かえって悪化させてしまうこともあるので、注意が必要です。

この記事では、ほくろの正しい切除方法、気になる施術後の経過や費用について、専門医が分かりやすく解説します。この記事を読むと、ほくろをなくすための正しい情報が得られますので、ぜひ最後までご覧ください。

ほくろをなくす方法とは

ほくろをなくすには、自力で除去するか、医療機関で施術してもらうかの2つの方法があります。

自力での除去は難しい

ほくろの除去をセルフケアで行うことは、多くのリスクが伴うため推奨できません。

ほくろは皮膚の表面だけでなく、深い部分にまで及んでいることがあり、自分で完全に除去することは困難です。不適切な処置は、傷跡が残ってしまったり、細菌感染を引き起こして化膿してしまったりする危険性があります。万が一、出血が止まらなくなるような事態も考えられます。

さらに、インターネットなどで見かける「ほくろが取れる」と謳う海外製のクリームなどには、強い薬剤が使用されている場合があり、重篤な化学やけどや皮膚障害、ケロイドなどを引き起こす可能性が国民生活センターからも注意喚起されています。

安全かつ確実にほくろを除去するためには、必ず医療機関を受診しましょう。

ほくろの除去方法

ここでは、ほくろの除去方法を【向いているほくろ】と一緒に、4つ紹介します。

炭酸ガスレーザー

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)は、ほくろの組織に含まれる水分に反応するレーザー光を照射し、その熱エネルギーでほくろを蒸散させて除去する方法です。局所麻酔を使うため、施術中の痛みはほとんどありません。出血も少なく、比較的短時間で施術が完了します。

【向いているほくろ】
一般的に、直径が5mm程度までの比較的小さく、あまり盛り上がりのない、良性のほくろ

メスによる切除

メスによる切除は、局所麻酔の後、ほくろの周囲の皮膚をメスで紡錘形(葉っぱのような形)に切開し、ほくろを皮膚組織ごと確実に取り除き、その後、丁寧に縫合する方法です。

切除した組織は病理検査に提出し、悪性の細胞が含まれていないかを確認できます。確実な除去と病理検査が必要な場合に適しています。

【向いているほくろ】
比較的大きく根が深いほくろ、悪性が疑われるほくろ、レーザーでは再発の可能性が高いと考えられるほくろ

電気焼灼

電気焼灼は、電気メスと呼ばれる医療機器を使用し、高周波電流によって発生する熱でほくろの組織を焼き切る、または蒸散させて除去する方法です。

局所麻酔をするため、施術中の痛みや出血は少ないのが特徴です。施術時間が比較的短いというメリットもあります。

【向いているほくろ】
主に、皮膚から盛り上がっているタイプのほくろ、比較的小さなほくろ

凍結療法

凍結療法は、マイナス196℃の超低温である液体窒素を綿棒やスプレーでほくろに当て、異常な組織を凍結壊死させて除去する方法です。壊死した組織は数週間後にかさぶたとなって自然に剥がれ落ちます。

大きいものや根が深いほくろの場合、凍結療法だけでは完全に除去しきれず、再発のリスクが高まるというのが特徴です。また、色の濃いほくろでは、凍結による色素沈着のムラや脱色が起こりやすい傾向があります。

【向いているほくろ】
非常に小さく、盛り上がりがほとんどない、またはごくわずかなほくろ、色が薄いか、あまり濃くないほくろ。

ほくろ除去後の経過

ほくろ除去後の経過は、施術方法や肌質、ほくろの大きさや深さによって異なります。

どの方法であっても、一般的には、治った直後は施術部位に赤みのある傷跡が見られます。

この赤みは時間とともに少しずつ色が薄れ、数か月から半年程度で周囲の皮膚の色となじみ、目立たなくなっていきます。

炭酸ガスレーザー

炭酸ガスレーザーでの除去後では個人差がありますが、一般的に皮膚が完全に新しい皮膚で覆われるまで約1~2週間かかります。施術直後は少し凹んだ状態になりますが、徐々に新しい皮膚が再生され、平らに近づいていきます。

施術部位の赤みは数か月続くことがありますが、これも時間とともに徐々に薄くなっていきます。大切なのは、医師の指示に従い、適切なアフターケアをすることです。

メスによる切除

メスによる切除の場合、通常、施術から約1週間後に抜糸します。経過には個人差がありますが、傷口が完全にふさがるまでは医師の指示に従ってください。その後、患部には一時的に硬さや赤み、場合によってはかさぶたが出ることがあります。

傷跡の赤みが気にならなくなるまでにかかる期間は、3~6か月程度です。最終的に傷跡が目立たなくなるまでには、半年以上、時には1年以上かかることもあります。

電気焼灼

電気焼灼による除去後の経過も個人差があり、新しい皮膚が再生されるまでには約1~3週間程度かかります。施術直後はわずかなくぼみや赤みが見られることがありますが、これらは時間とともに徐々に改善していくので、心配いりません。

くぼみが平らに戻ったり、赤みが完全に消えたりするまでには、数か月間かかることもあります。この間、紫外線対策と保湿をしっかり行うことが大切です。

凍結療法

凍結療法の場合、施術後の経過には個人差が大きいです。一般的にはかさぶたができ、それは1~2週間で自然に剥がれ落ちます。無理に剥がすと傷跡が残りやすくなるので、注意が必要です。

かさぶたが取れた後の除去跡は、赤みや色素沈着、あるいは色素脱失などが生じることがあり、これらが落ち着くまでに3~6か月程度かかるのが一般的です。場合によっては、軽微な傷跡として残ることもあります。

リスク・ダウンタイムの症状

各々の施術のリスクは、以下のとおりです。

  • 炭酸ガスレーザー:赤みや腫れ、軽い痛み、ヒリヒリ感、かさぶた、色素沈着、取り残しや再発など
  • メスによる切除:痛みや腫れ、内出血、感染、出血など
  • 電気焼灼:痛み、熱感、かさぶた、感染、取り残し、再発など
  • 凍結療法:強い痛みやヒリヒリ感、赤み、腫れ、水ぶくれ、かさぶた、色素脱失、色素沈着など

注意点

各々の施術後の注意点は、以下のとおりです。

炭酸ガスレーザー

  • 治療後は紫外線対策をしてください。
  • かさぶたを無理に剥がさないでください。

メスによる切除

  • 抜糸までの間、激しい運動などは控えてください。

電気焼灼

  • かさぶたを無理に剥がさないでください。
  • 治癒するまで、医師の指示通りの保護が必要です。

凍結療法

  • 治療後の水ぶくれは破れないように注意してください。

除去後の傷跡をきれいに保つためには?

ほくろ除去後の傷跡をできるだけきれいに治すためには、適切なアフターケアが非常に重要です。まず、施術後1~2週間程度は、医師の指示に従い、処方された軟膏の塗布や保護テープを貼るなどの処置を欠かさず行いましょう。

この時期の皮膚は非常にデリケートで、外部からの刺激や細菌感染に弱いため、患部を清潔に保つことが大切です。また、かさぶたができた場合は、無理に剥がすと傷跡が残りやすくなるため、自然に剥がれ落ちるのを待ちましょう。

保護テープによる処置が終了した後も、施術部位の皮膚は紫外線の影響を受けやすい状態が続きます。紫外線による刺激を避けるために、日焼け止めクリームをこまめに塗る、帽子や日傘を使用するなど、徹底した対策をしてください。炎症後色素沈着のリスクを軽減できます。

当院の治療の特徴

当院で実施しているほくろ除去方法は、保険適用のほくろ切除か、自費治療での炭酸ガスレーザーによるものです。

形成外科専門医・皮膚科専門医が、患者様お一人おひとりのほくろの状態(大きさ、深さ、部位、悪性の可能性の有無など)を丁寧に診察し、その上で、患者様のご希望やライフスタイルをしっかりと伺い、医学的根拠に基づいて最適な施術方法をご提案いたします。

施術後のアフターケアや経過観察にも力を入れており、安心して治療をお受けいただける体制を整えております。

費用

ここでは、当院でしているほくろ除去方法にかかる費用を説明します。

保険治療

施術方法価格(税込)
皮膚腫瘍切除術10,000〜20,000円(大きさによる)(全国共通の価格)

自費治療

施術方法ほくろの大きさ価格(税込)
炭酸ガスレーザー≦3mm8,800円
3.1mm<~≦5mm13,200円
5.1mm<~≦10mm16,500円

※保護テープのご購入の場合、別途1,650円頂戴しております。

よくある質問

Q.ほくろは自然に消えますか?

一度できたほくろ(色素性母斑)が自然に消えることは、まれです。多くの場合、そのまま残り続けるか、年齢や紫外線の影響などによって、時間の経過とともに大きさや形、色が変化したり、盛り上がってきたりすることがあります。

まれに色が薄くなることもありますが、完全に消えることは期待できません。

もし、ほくろの形が急にいびつになった、急激に大きくなった、色むらが出てきた、出血やただれ、かゆみや痛みが生じたなどの変化が見られる場合は、悪性の可能性も否定できないため、自己判断せずに速やかに医療機関を受診することをおすすめします。

Q.ほくろを除去する食べ物は?

特定の食べ物を摂取することでほくろが消えたり、除去されたりするという医学的な根拠は今のところありません。ほくろは、メラニン色素を作る細胞(母斑細胞)が皮膚の一部に集まってできているものです。

そのため、食事療法やスキンケア化粧品などでほくろそのものをなくすことはできません。

ほくろを除去するには、レーザー治療や手術といった医療機関での専門的な処置が必要です。ただし、バランスの取れた食事は、肌全体の健康を維持し、ターンオーバーを正常に保つためには非常に大切です。肌の健康は、施術後の傷の治りを良くすることにも繋がりますが、ほくろを直接消す効果はありません。

Q.ほくろが多い原因は何ですか?

ほくろが多い原因は一つだけではなく、複数の要因が複雑に組み合わさっていると考えられています。最も大きな要因の一つは遺伝的な体質です。ご両親やご家族にほくろが多い方は、ご自身もほくろができやすい傾向にあります。

また、紫外線もほくろの発生や増加に大きく関わっています。紫外線を浴びると、メラニン色素が過剰に作られるため、ほくろができやすくなったり、既存のほくろが濃くなったりすることがあります。

その他、成長期や妊娠中などのホルモンバランスの変化、加齢、皮膚への物理的な刺激なども、ほくろの数や状態に影響を与える要因として考えられています。

ほくろが気になる方は、ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容へ

顔や身体のほくろが気になって、除去を考えていらっしゃる方は、ぜひ一度ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容に、ご相談ください。

当クリニックでは、形成外科専門医・皮膚科専門医が、患者様お一人おひとりのお悩みに耳を傾け、ほくろの状態を診察いたします。美容的・医学的な見地から、それぞれのほくろに最適な治療法を提案し、納得いただいた上で治療を進めてまいります。

施術後のアフターケアや経過観察もしっかりサポートしているのも特徴です。カウンセリングのご予約は、お電話またはウェブサイトから受けております。お気軽にお問い合わせください。

【ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容|吉武光太郎 監修】

参考文献

国民生活センター「SNS上の広告を見て購入した海外製のクリームで重篤な皮膚障害が発生!」

日本形成外科学会「色素性母斑(ほくろ・母斑細胞母斑・黒子)」

© ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容