ネス駒沢クリニックからのスタッフコラムColumn

シミ・そばかすを消したい人必見 | 原因別・治療法を徹底解説

2025.12.23シミ取り

鏡を見るたびに気になる、頬や鼻まわりのシミやそばかす。「毎日スキンケアしているのに、なかなか消えない…」と感じたことはありませんか?

実はシミとそばかすは原因も治療法も異なります。

この記事では、シミ・そばかすの違いや原因、自宅でできるシミ・そばかす対策、シミ・そばかすを消す治療法、タイプ別のおすすめ治療法、治療後のケアと再発予防などをご紹介します。

シミ・そばかすの違いと原因

シミやそばかすをファンデーションで隠しても、ふとした瞬間に気になる…という方は多いのではないでしょうか。

実は、これらの色素トラブルは原因も対処法もまったく異なるため、ケアの方法によってはかえって悪化してしまうこともあります。

ここでは、シミとそばかすの違いや原因を整理し、種類や特徴についてご紹介します。

シミとそばかすの違い

シミとそばかすで共通しているのは、メラニン色素の過剰生成が関係している点です。

シミは紫外線や加齢の影響などで後天的に現れ、主に30代以降に紫外線ダメージが蓄積した肌にできやすいです。

シミの特徴

  • 形:輪郭がはっきりし、茶色〜濃い茶色の丸い斑点
  • 部位:頬骨まわり・こめかみ・手の甲など、紫外線を浴びやすい場所

一方、そばかすは遺伝的要因が大きく、子どもの頃から顔の中心部に小さく散らばって現れます。思春期に目立ちやすくなりますが、大人になっても紫外線を浴びることで濃くなる傾向があります。

そばかすの特徴

  • 形:1〜4mm程度の細かい茶色の斑点が散らばる
  • 部位:鼻・頬など顔の中心部に左右対称に現れやすい

主なシミの種類と特徴

シミと一言に言っても、いくつか種類があり、原因や治療法も異なります。ここでは、以下の4つのシミについてご紹介します。

老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)

紫外線の影響でメラニンが過剰に作られ、ターンオーバーで排出されずにメラニンが肌にとどまったものです。一般的にシミというと、この老人性色素斑を指す場合が多いです。

色は薄茶色~こげ茶、楕円形や丸のような形で、輪郭がくっきりしています。頬やこめかみなど日焼けしやすい部位にできやすく、時間とともに濃くなることが特徴です。

若い頃からの日焼けの蓄積が、30代以降にシミとなって現れます。ピコレーザーのピコスポットなどで反応しやすいシミのひとつです。

肝斑(かんぱん)

両頬に左右対称で広がるのが特徴で、頬骨や口の周りなどにできやすいです。

境界がもやっとした薄い茶色のシミで、30〜50代の女性に多くみられます。ホルモンバランスの乱れや摩擦、ストレスなどが関係しています。

クレンジングや洗顔後のタオルによる強い摩擦などで悪化するといわれています。強いレーザー照射はかえって悪化するため、ピコトーニングなど弱めの出力のレーザー治療やトラネキサム酸などの飲み薬、ハイドロキノンの塗り薬などが基本的な治療方法です。

炎症後色素沈着

ニキビ・虫刺され・摩擦など皮膚炎の跡が茶色く残ってしまった状態です。もともとの炎症とほぼ同じ場所・同じ形にできます。

色は薄茶色~こげ茶色であることが多いです。炎症後にメラニン色素が一時的に増え、炎症が落ち着いた後もメラニンが沈着して消えにくいとされています。

また、完全に消えるまでに数か月ほどかかることがあります。時間とともに薄くなるとされますが、紫外線により悪化することがあるため、日焼け止めで紫外線から守ることが大切です。

ADM(後天性真皮メラノーシス)

頬〜目の下あたりに、細かい点々がたくさん集まったようなシミです。真皮層の奥にメラニンが沈着し、グレー〜青っぽく見えます。

ADMのほとんどは左右対称に現れ、表面はつるつるしていて盛り上がりはありません。

シミの原因とされるメラノサイトが皮膚の深い層にあるため、美白化粧品など皮膚表面に働きかけるケアでは効果が現れにくいです。

基本的にはピコレーザーなどのレーザー治療が必要で、複数回にわけて少しずつ薄くしていきます。

なぜ消えにくい?メラニン生成の仕組み

紫外線を浴びると、肌の奥にあるメラノサイトが活性化され、メラニンを生成します。

メラニン生成は肌を守るための働きですが、紫外線や摩擦、ホルモンの乱れなどが続くと、メラニンが過剰に作られ、排出が追いつかなくなります。

通常、約28日周期のターンオーバーでメラニンは角質とともに排出されますが、加齢や睡眠不足、乾燥などで代謝が低下するとメラニンが肌内部に残り、シミやそばかすとして定着してしまいます。

自宅でできる「シミ・そばかす対策」

シミやそばかすの改善は、クリニックだけでなく、日々のホームケアでも大きく差が出るものです。

とくに初期段階や薄いシミなら、スキンケアや生活習慣の見直しで目立ちにくくすることも可能です。

ここでは、毎日の生活に取り入れやすいスキンケアやUVケアなどをご紹介します。

スキンケア

シミ・そばかす対策の基本は、肌を守りながらメラニンの生成を抑えることです。

洗顔後の肌はバリア機能が低下しているため、まずはしっかり保湿することが大切です。

乾燥が続くとターンオーバーが乱れ、メラニンが排出されにくくなるためです。

美白有効成分として代表的なものには、ハイドロキノン・トラネキサム酸・ビタミンC誘導体・アゼライン酸・システアミン・コウジ酸などがあります。

また、肌への強い刺激によって必要以上にメラニンが生成され、シミが濃くなったり増えたりすることがあります。摩擦や強いピーリングを避けましょう。

美白有効成分が配合された化粧品を使用し、普段から肌への摩擦をできるだけ避けて過ごすことが大切です。

UVケアと生活習慣

紫外線は天候にかかわらず、年中降り注いでいます。そのため、年間を通して日焼け止めを使用することをおすすめします。

また、外出時は2〜3時間ごとに塗り直すこともポイントです。

研究によれば、日焼け止めを塗ってから4時間経過すると、顔に残った日焼け止め量が紫外線を防ぐために十分でない可能性があり、2時間ごとに日焼け止めを塗り直すことが推奨されています1)

睡眠不足も肌のターンオーバーを乱すため、十分な睡眠を心がけましょう。

すでにできたシミやそばかすの改善は難しい

一度できたシミやそばかすをセルフケアで完全に消すことは難しいとされています。

紫外線対策と保湿を続けながら、美白有効成分を取り入れると、色素の排出をサポートできます。

もし変化が見られない場合は、美容医療を取り入れるのも選択肢のひとつです。

「自宅ケアを頑張ってもなかなか薄くならない…」そんなときは、医療の力に頼ることもひとつの方法です。

シミやそばかすを消す治療法

美容皮膚科やクリニックでは、シミやそばかすの種類・深さ・肌質に合わせて、レーザーや光治療、外用・内服療法など多彩なアプローチが行われています。

ただし、「どの治療でも同じように消える」というわけではありません。

それぞれに得意なシミのタイプ・痛み・ダウンタイムなどが異なるため、事前に特徴を知っておくことが大切です。

ピコレーザー

ピコレーザーは、現在の美容医療で人気が高いシミ・そばかす治療です。短時間で光を照射し、メラニン色素を細かく粉砕します。

従来のレーザー治療よりも熱ダメージが少なく、炎症後色素沈着のリスクを軽減できます。

薄いシミやそばかす、小さな点状の色素にも反応しやすいです。

通常は1〜3回程度の施術が目安です。ダウンタイムはほとんどなく、赤みが出ても1〜2日で落ち着きます。

Qスイッチレーザー

濃いシミやそばかす、ADM(後天性真皮メラノーシス)などに効果的とされています。

ピコレーザーよりも照射時間が長く、メラニン色素を熱エネルギーで破壊する仕組みです。施術直後はかさぶたができますが、1週間ほどで自然にはがれ落ちます。

照射後しばらくは炎症後色素沈着を起こすこともあるため、医師の指導に沿って保湿・紫外線対策を徹底しましょう。

フォトフェイシャル

広範囲にあるシミやそばかす、くすみを改善したい人に人気の光治療です。

複数の波長の光を広く照射することで、さまざまなタイプの色素に働きかけ、改善を促します。

肌全体のトーンアップ、透明感アップ、肌のハリやキメの改善に効果が期待できます。

メラニンに反応して浮き上がった色素が数日〜1週間で自然と剥がれ落ちます。肝斑や炎症の強い肌には注意が必要です。強い刺激で悪化するリスクがあります。

レーザートーニング

肝斑や色素沈着などに向く穏やかな治療です。

低出力のレーザーを広く均一に照射し、メラニンを少しずつ分解していきます。

肝斑は、強い刺激を与えると悪化しやすいため、レーザートーニングのようにマイルドなアプローチが効果的とされています2)

回数を重ねるごとにトーンが明るくなり、透明感のある肌へと導きます。

施術後のダウンタイムはほとんどなく、メイクも翌日から可能です。5〜10回程度の継続照射が推奨されています。

ケミカルピーリング

肌表面の古い角質をやさしく除去してターンオーバーを促す治療です。

専用の酸(グリコール酸、サリチル酸、乳酸など)を肌に塗布し、古い角質や毛穴の詰まりを取り除くことで、メラニンの排出をサポートします。

ピーリング直後は肌が明るくなり、くすみや初期のシミ、ニキビ跡の色素沈着などに効果が期待できます。

ダウンタイムはほとんどなく、赤みが出ても1日程度で落ち着くことが多いです。敏感肌や乾燥肌の方は刺激を感じやすいため、医師の判断の下で濃度や頻度を調整してください。

内服治療

体の内側からメラニンの生成を抑え、肌の回復力を高めるアプローチです。外からのスキンケアやレーザー治療と組み合わせることで、治療効果の持続や再発予防にもつながります。

トラネキサム酸は、肝斑や炎症後色素沈着に効果が期待でき、メラニンを増やす炎症物質の働きを抑える作用があります。

ビタミンCは抗酸化作用で肌の酸化を防ぎます。3か月ほど継続することで肌全体のトーンアップを実感できる人が多いです。

タイプ別のおすすめ治療法

シミやそばかすといっても、原因やでき方の違いによって治療法は異なります。

「なんとなく気になるからレーザーを」と選んでしまうと、肝斑のように悪化するケースもあります。ここでは、タイプ別に合った治療法をご紹介します。

種類治療回数の目安
老人性色素斑ピコレーザー3~6か月ごとに1~3回くらい
Qスイッチレーザー3~6か月ごとに1~3回くらい
そばかす(雀卵斑)フォトフェイシャル(IPL)3~4週間に1回の治療を5~10回くらい
肝斑レーザートーニング2週間に1回の治療を5~10回くらい
トラネキサム酸の内服3~6か月くらい
ADM(後天性真皮メラノーシス)ピコレーザー3~6か月に1回の治療を2~3回くらい

ただし、実際はそれぞれのシミが混在しているケースも多いです。カウンセリングでは、どのタイプが多いかを判断し、それぞれに適した治療をしていきます。

たとえば、濃いシミをピコレーザーで治療し、残った薄い色素をトーニングで全体的にトーンアップできます。ただし同時に治療することが難しい場合もあるため、医師が肌の状態を見ながらスケジュールを決定します。まずはご相談ください。

治療後のケアと再発予防

どんなに効果的な治療を受けても、治療後のケアを怠ると再発のリスクは高まります。

ここでは、治療後の肌を守るために欠かせないケアと、再発を防ぐ生活習慣のポイントをご紹介します。

治療直後の注意点

治療直後の肌は、バリア機能が一時的に低下しているデリケートな状態です。とくに以下の点に気をつけましょう。

  • 肌に過度な刺激を与えない、擦らない。
  • 洗顔はぬるま湯でやさしく、タオルは軽く押さえるように肌に残った水分を拭き取る。
  • 治療後の肌は乾燥しやすいため、化粧水・乳液・クリームなどでしっかりうるおいを補給する。
  • 日焼け止めはSPF30以上を選び、できるだけ外出を控える。
  • 外出時は、日傘・サングラス・帽子などで物理的に紫外線を避ける。
  • 炎症が落ち着くまでは、ピーリング剤や刺激の強い美白化粧品の使用は避ける。

自宅でのケア

シミ・そばかすは保湿を徹底することが大切です。乾燥した肌はターンオーバーが乱れ、薄くしたメラニンが再び沈着しやすくなるからです。

低刺激で保湿力の高い化粧水や乳液を選び、朝晩しっかり水分と油分を補いましょう。成分では、セラミドやヒアルロン酸、パンテノールなどがおすすめです。

また紫外線対策は、毎日しっかり行ってください。クレンジングや洗顔はやさしく、摩擦や刺激を減らす工夫をしましょう。

タオルは柔らかい素材を選び、肌に直接触れる枕カバーやマスクも清潔に保つことも大切です。

生活習慣

生活習慣の乱れは、シミの再発に関わっています。睡眠不足やストレスは活性酸素を増やし、メラニン生成を促進するため、肌がくすみにつながります。

また、寝る前のスマホやパソコン作業は睡眠の質を低下させるといわれています。睡眠の質が高い人は肌の老化が目立ちにくく、回復力も高いことが報告されています3)

十分な睡眠時間を確保し、ターンオーバーを整えましょう。

ネス駒沢クリニックの治療の特徴

ピコシュア(PicoSure)を採用

ピコレーザーの治療では、米国のFDAから認可を受けたピコシュアを採用しています。ピコシュアは、レーザー業界の最大手であるサイノシュア社が開発したレーザーです。

シミやそばかすをはじめ、小じわや毛穴、ニキビ跡などにも対応しています。

形成外科専門医が患者さまに適した治療を診断

シミには、さまざまな種類があり、それぞれ治療法も異なります。当院では、治療開始前に医師による肌診断を行い、患者さま一人ひとりに適した治療法を患者さまと相談の上で選択しています。

費用

ネス駒沢クリニック 皮膚科・形成外科・美容では、ピコレーザーとケミカルピーリングの治療を行っています。

以下は、公的保険が適用されない自由診療(自費)です。

費用は税込みです。

ピコレーザー

ピコスポットシミ・そばかす~5mm 1個につき5,500円
6~10mm 1個につき8,800円
11~20mm 1個につき15,400円
ADM1回33,000円
シミ取り放題1回 顔99,000円モニター価格77,000円
2回目(初回から半年以内)顔55,000円
ピコトーニング頬のみ初回トライアル22,000円
全顔1回33,000円
5回110,000円
10回165,000円
20回297,000円
ピコホワイトニング 1回110,000円
ピコフラクショナル頬のみ初回トライアル22,000円
全顔1回33,000円
5回110,000円

ケミカルピーリング

ケミカルピーリング顔 or 首 or デコルテ初回トライアル(頬のみ)5,500円
1回8,800円
5回27,500円
二の腕(左右)1回8,800円
背中(上or下半分)1回9,900円
5回39,600円

よくある質問

Q.何回の治療でシミやそばかすは薄くなる?

A.ピコレーザーやQスイッチレーザーでは1〜3回、レーザートーニングやフォトフェイシャルでは5〜10回程度が目安です。

Q.再発はしますか?

A.再発の可能性はあります。治療後に、紫外線対策や保湿、摩擦を避けることなどにより、再発のリスクを下げることができます。

シミ・そばかすが気になる方は、ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容へ

シミやそばかすは、年齢とともに誰にでも起こり得る肌のサインです。紫外線やホルモンバランス、生活習慣などが積み重なって少しずつ肌に現れてきます。

まずは、毎日の紫外線対策や保湿などを基本に、必要に応じてピコレーザーやピコトーニングなどを取り入れると良いでしょう。気になるシミやそばかすがある方は、当院へお気軽にご相談ください。

【ネス駒沢クリニック 形成外科・皮膚科・美容|吉武光太郎 監修】

<ピコシュアについて>

・未承認医薬品等(異なる目的での使用) 
ピコシュアは医薬品医療機器等法において、太田母斑、異所性蒙古班の治療について承認されていますが、その他の治療については国内で承認されていません。
・入手経路等
国内の医薬品卸業者より国内の承認機器を仕入れています。
・国内の承認医薬品の有無
国内で同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。
・諸外国における安全性などに係る情報
米国FDAにて色素性病変(シミ・肝斑等)・しわ・にきび跡に関する承認を受けています。
・医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

参考文献

(1)An evaluation of the course of facial sunscreen coverage and sustainability over an 8‐hour workday among outdoor workers
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34401526

(2)Use of Picosecond Laser for Melasma Treatment: A Narrative Review
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38085187

(3)Does poor sleep quality affect skin ageing?
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25266053

本院情報

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