
1. 火傷(やけど)とは?分類と重症度
火傷とは、熱や化学物質、電気などによって皮膚や粘膜が損傷を受ける状態で、高温の液体や固体が一定時間以上接すると生じるものです。火炎・爆発などで生じる場合もあります。
また、低温熱傷と呼ばれる、比較的低い温度(44~60度)で生じるやけどもあります。
火傷は3段階(I度~III度)に分類され、皮膚組織(皮膚は外側から、表皮・真皮・皮下組織(脂肪)で構成されます)のどの部位まで損傷されているかで決定されます。
皮膚の薄い子供や老人では損傷レベルは深くなったり、体の部位により皮膚の厚さが異なるため(手のひらは皮膚が厚く、手の甲は皮膚が薄いなど)損傷レベルに違いを生じます。 浅いやけどは痛みなどの症状が強く、深くなるに従い痛みは少なくなっていきます。
分類 | 症状 | 色調・特徴 | 自然治癒の可能性 |
---|---|---|---|
I度(表皮) | 赤み・軽い痛み | ピンク~赤色、腫れ | 数日で回復 |
II度浅達(真皮浅層) | 強い痛み・水ぶくれ | 水疱形成、湿潤 | 約1~2週間で治癒 |
II度深達(真皮深層) | 痛みは軽減、水ぶくれ | 白~暗赤色、乾燥傾向 | 傷跡を残すことが多い |
III度(皮下まで) | 痛みなし(神経損傷) | 白色・炭化・硬直 | 手術が必要になる場合あり |
2. 火傷をした直後に取るべき応急処置
1. 熱源をすぐに取り除きます(やかん、火、油、薬品など)
2. 冷却します
流水で15~30分冷やしてください。氷で冷やすのはNGです。
3. 患部を保護
清潔なガーゼなどで覆ってください。
4. 衣類が張り付いていたら無理に脱がさないでください
5. 水ぶくれがあっても無理に潰さないでください。
6. 特に広範囲や顔・関節・手足・性器の場合は早期受診してください
3. 火傷の重症度別の治療と保険適用
I~浅いII度の場合(軽度~中等度)
- 保険適用範囲:あり
- 外用薬(ステロイドや抗菌薬)
- 被覆材による湿潤療法
- 通院での経過観察
深いII度~III度(重度)
- 保険適用:あり(入院・手術も対象)
- デブリードマン(壊死組織除去)
- 皮膚移植術
- 感染予防の抗生物質
- リハビリや拘縮予防
※注意:傷跡治療は美容目的とされ、自費になることがあります。瘢痕拘縮や機能障害があれば保険適用で手術が可能です。
4. 火傷跡に対する自費治療の選択肢
火傷の跡に残る色素沈着や凹凸、肥厚性瘢痕に対しては自費治療が有効です。
治療法 | 対応できる火傷跡 | 効果 |
---|---|---|
ステロイドテープ・注射 (保険適応) |
肥厚性瘢痕・ケロイド | 炎症抑制、盛り上がり改善 |
レーザー治療(自費) | 凹凸・赤み・色素沈着 | 肌再生・肌質改善 |
ジュベルック注射(自費) | クレーター状の跡 | コラーゲン生成促進 |
ピーリング+エレクトロポレーション(自費) | 色素沈着・くすみ | ターンオーバー促進 |
※状態により保険診療との併用も可能です。
5. 当院で対応可能な火傷治療
- 保険診療:軽度~重度の火傷、瘢痕拘縮手術
- 自費診療:火傷跡へのレーザー・注入・肌質改善治療
まずは診察にて火傷の深さと状態を評価し、最適な治療をご提案いたします。
6. よくあるご質問(Q&A)
Q. 火傷をしたらすぐに病院に行くべきですか?
A. 小範囲でも顔や関節部位の火傷、水ぶくれがある場合はすぐに受診してください。。
Q. 子どもが火傷したのですが、自宅で様子を見ても大丈夫?
A. 子どもは火傷の進行が早く重症化しやすいため、必ず医療機関を受診してください。
Q. 火傷跡を完全に消すことはできますか?
A. 完全に消すことは難しいですが、目立たなくする治療法はあります。ぜひご相談ください。
火傷は受傷直後の対応が非常に大事になってきます。
まずはすぐに患部を冷やし、クリニックを受診してください。
ネス駒沢クリニックではお電話でもネット予約でも当日のご予約が可能です。
ネットで予約枠が空いていない場合もお電話でご相談くださいませ。